同性パートナーが別れる時に必要となる手続き

日本では、婚姻は異性間でのみ認められており、同性同士が法律上の婚姻を行うことはできません。
同性パートナーが法的に保護されるには、パートナー契約書を作成したり、養子縁組を行ったりする必要があります。
契約を締結した後に、相手の浮気など様々な理由によってパートナー同士が別れることもあります。
今回は、契約をしたり養子縁組をした同性パートナーが別れるにはどういった手続きをすればいいのか解説していきたいと思います。

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パートナー契約を解除することはできるのか

パートナーシップ契約とは、特に定義はありませんが、主に婚姻関係に準じた法律関係を構築する契約全般の事を言います。
パートナー契約については解説しておりますので、ご覧いただければ幸いです。
パートナーシップ契約を締結しているカップルが別れる場合はどういった手続きが必要なのでしょうか。
日本で同性のパートナー同士の婚姻は認められるのか、パートナーシップ契約と養子縁組

パートナーシップ契約の合意解除

法律上の結婚をしている場合は、離婚届を提出するのですが、お互い合意していない場合は調停や最悪裁判をして法律上の婚姻関係を解消します。
パートナーシップ契約は、私的な契約となりますので、契約の内容を履行する必要があります。
お互い気持ちがなくなり、パートナーを解消したい場合は、パートナーシップ契約を解除することになります。
パートナーシップ契約は、お互いの合意があれば自由に契約を解除することができます。
お互い合意していない場合でも、契約書に解除条項が設けられている場合には、解除条項の要件を満たすことで、パートナー同意なく解除することが可能となります。
解除条項がない場合は、パートナー同士の信頼関係が破壊されたと判断されるかどうかで契約の解除が認められと考えられております。
信頼関係の破壊は離婚の原因に関する事項か賃貸借契約などの契約と類似していますので下記の条文が参考になるかと思います。

民法
(裁判上の離婚)
第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
2 裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。

民法 | e-Gov法令検索より引用

養子縁組を離縁するには

同性のパートナーには、法律上の婚姻と違い配偶者に相続権がないため、カップルの中には養子縁組をしている方もいらっしゃいます。
養子縁組はパートナー契約とは違い、 役所で養子縁組届を提出することによって養子縁組が成立することになります。
養子縁組を解消するためには、離縁をする必要があります。
離縁をすることにお互い争いがない場合は、養子離縁届を提出することにより、協議離縁を行うことができます。
相手が合意していない場合は、家庭裁判所に離縁調停をすることにより、調停において離縁できる可能性があります。
調停でも相手との合意ができない場合は離縁の訴えによって離縁を求めることになります。(離縁の訴えを提起するには先に調停を行う必要があります)
離縁の訴えを提起するときには、離縁原因が必要となり、裁判所で離縁が認められれば養子縁組が解消されることになります。

民法
第四款 離縁
(協議上の離縁等)
第八百十一条 縁組の当事者は、その協議で、離縁をすることができる。
2 養子が十五歳未満であるときは、その離縁は、養親と養子の離縁後にその法定代理人となるべき者との協議でこれをする。
3 前項の場合において、養子の父母が離婚しているときは、その協議で、その一方を養子の離縁後にその親権者となるべき者と定めなければならない。
4 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項の父若しくは母又は養親の請求によって、協議に代わる審判をすることができる。
5 第二項の法定代理人となるべき者がないときは、家庭裁判所は、養子の親族その他の利害関係人の請求によって、養子の離縁後にその未成年後見人となるべき者を選任する。
6 縁組の当事者の一方が死亡した後に生存当事者が離縁をしようとするときは、家庭裁判所の許可を得て、これをすることができる。
(裁判上の離縁)
第八百十四条 縁組の当事者の一方は、次に掲げる場合に限り、離縁の訴えを提起することができる。
一 他の一方から悪意で遺棄されたとき。
二 他の一方の生死が三年以上明らかでないとき。
三 その他縁組を継続し難い重大な事由があるとき。
2 第七百七十条第二項の規定は、前項第一号及び第二号に掲げる場合について準用する。

民法 | e-Gov法令検索より引用
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任意後見契約を解除する場合

任意後見契約とは、簡単に説明すると事前にお互いのどちらかが認知症などで、判断能力が低下した際に任意後見契約を締結しておくことにより、契約を締結した者に代理権の範囲で財産などの管理を行ってもらえるようにする契約の事です。
任意後見契約を解除するときには、後見監督人が選任されているか契約の効力が発生しているかで解除する方法が異なります。
任意後見人が選任されていないときには、本人又は任意後見受任者は公証人の認証を受けた書面によっていつでも任意後見契約を解除することが可能です。
合意解除の場合は、合意解除書に認証を受ければすぐに解除となり、当事者一方から解除する場合は、認証を受けた書類を相手方に送付する必要があります。
任意後見監督人が選任された後は、本人又は任意後見受任者は契約を解除するには正当な理由が必要となり、家庭裁判所の許可が必要となります。
任意後見監督人が選任されている場合は、お互いの合意のみでは、契約を解除することはできないため注意が必要です。
任意後見契約は、任意後見監督人が選任された時から効力が発生するため、任意後見監督人が選任されているかどうかで対応が変わるのです。

(任意後見監督人の選任)
第四条 任意後見契約が登記されている場合において、精神上の障害により本人の事理を弁識する能力が不十分な状況にあるときは、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族又は任意後見受任者の請求により、任意後見監督人を選任する。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一 本人が未成年者であるとき。
二 本人が成年被後見人、被保佐人又は被補助人である場合において、当該本人に係る後見、保佐又は補助を継続することが本人の利益のため特に必要であると認めるとき。
三 任意後見受任者が次に掲げる者であるとき。
イ 民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百四十七条各号(第四号を除く。)に掲げる者
ロ 本人に対して訴訟をし、又はした者及びその配偶者並びに直系血族
ハ 不正な行為、著しい不行跡その他任意後見人の任務に適しない事由がある者
2 前項の規定により任意後見監督人を選任する場合において、本人が成年被後見人、被保佐人又は被補助人であるときは、家庭裁判所は、当該本人に係る後見開始、保佐開始又は補助開始の審判(以下「後見開始の審判等」と総称する。)を取り消さなければならない。
3 第一項の規定により本人以外の者の請求により任意後見監督人を選任するには、あらかじめ本人の同意がなければならない。ただし、本人がその意思を表示することができないときは、この限りでない。
4 任意後見監督人が欠けた場合には、家庭裁判所は、本人、その親族若しくは任意後見人の請求により、又は職権で、任意後見監督人を選任する。
5 任意後見監督人が選任されている場合においても、家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前項に掲げる者の請求により、又は職権で、更に任意後見監督人を選任することができる。
(任意後見監督人の欠格事由)
第五条 任意後見受任者又は任意後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹は、任意後見監督人となることができない。

任意後見契約に関する法律 | e-Gov法令検索より引用

まとめ

同性のパートナー同士は異性間のカップルと異なり、法律上の婚姻を行うことができません。
そのため、法律婚と似たような効果を得られるようにパートナー契約など、法律上の婚姻より手間がかかります。
手間はかかりますが、事前に書類を作成することにより法律で守られることになりますので、事前に行政書士などの専門家に相談して準備をすることをお勧めいたします。

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そのため、ご自身でお手続きをする際は、自己責任でお願い致します。

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