業務委託契約の請負契約型と準委任型の見分け方を解説します

自社の業務を外部の企業に任せる場合は、業務委託契約を締結することが一般的です。
業務委託契約書には、仕事の完成を目的とした請負型と仕事の完成だけでなく事務処理などを委託する準委任型の契約があります。
業務委託契約が請負型なのか、準委任型なのかチェックするにはどうすれば良いのでしょうか。
今回の記事では、業務委託契約が請負型か準委任型を見分ける方法について解説していきたいと思います。
業務委託契約とは業務を第三者に外注する方法をわかりやすく解説しました

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業務委託契約とは

契約書

個人事業で業務委託契約をして、業務を請け負っているんだけど、業務委託契約ってどんな契約なの?

自社の業務を外部に委託する際には、業務委託契約を締結することが多いですが、民法の中に業務委託契約に関して記載はなく、基本的に請負契約と委任契約の内容が適用されることになります。
契約の内容を確認しなくては判断できないため、内容をきちんと確認してください。

業務委託契約とは、法律上で明確に規定されているわけでばありませんが、一般的に自社の業務を外部の企業などに委託する契約のことを言います。
業務委託契約は売買契約や贈与契約など、民法に記載されている契約ではありませんが、請負契約型と準委任型の性質があると考えられます。
仕事の完成を目的とした契約は請負型、仕事の完成を目的としないで、事務処理など委託する場合は準委任型とされています。

請負型と準委任型の見分け方

話を聞く男性

業務委託契約には、請負型と準委任型があります。
請負契約は仕事の完成を目的とし、準委任契約は委託された業務を遂行するかという点が大きく異なるため、契約書をチェックする際には、仕事の完成を目的としているか、事務処理だけを求められているか確認する必要があります。

例えば、商品の製造を委託する際に、「午前9時から午後6時までネジを1,000個製造する」ことが、目的の場合は、ネジを1,000個製造しなくては報酬を得ることはできません。
準委任契約の場合は、「午前9時から午後6時までネジを製造する」というように仕事の完成を目的としていないため、午前9時から午後6時までネジを製造することができれば報酬を受け取ることができます。

注文者の立場として商品の製造を目的としている場合は、請負型の契約となり、カスタマーサービスなど事務処理を委託する場合は委任型(準委任型)の契約が多いです。

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請負型と準委任型の業務委託の責任

疑問に思うサラリーマン

業務委託には請負型と委任型の2種類がありますが、請け負った仕事に対してどんな責任を負うのでしょうか。

請負型の業務委託

請負型の業務委託契約は仕事の完成について責任を負うため、仕事が完成しなかったら報酬を受け取ることができず、目的物(完成を約束した製品等)に欠陥があった場合は責任を負うことになります。
目的物に欠陥がある場合は、修繕したり、代金を減額したり、製品を完成させなかったことによって、生じた損害を賠償する責任を負います。
ただし、注文者が一定の支持をしたことによって、不適合となった場合などは一定の制限があります。

(請負人の担保責任の制限)
第六百三十六条 請負人が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない仕事の目的物を注文者に引き渡したとき(その引渡しを要しない場合にあっては、仕事が終了した時に仕事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないとき)は、注文者は、注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、請負人がその材料又は指図が不適当であることを知りながら告げなかったときは、この限りでない。

民法 | e-Gov法令検索より引用

準委任型の業務委託

準委任型の業務委託契約の場合は、仕事の完成を目的としていないため、目的物の完成は目的とされていません。
その代わり、準委任で仕事を受任している者は、契約書に記載してある趣旨に沿って、善管注意義務をもって、受任した事務を遂行する責任を負うことになります。
善管注意義務というのは、受任者が注意を怠ったことによって、委任者に損害が生じた時には、損害を賠償しなくてはなりません。
受任をした者は仕事を受任したため、プロとして業務の遂行に責任を負います。

業務委託契約のどの部分をみて業務の内容を確認するか

解説をする女性

業務委託契約には、請負型と委任型(準委任型)があると解説させていただきました。
業務委託契約というのは、売買契約のように法律上の定義があるわけではないため、契約の内容を確認する必要がありますが、契約の内容の判断は契約書の内容を判断することは、とても難しいかと思います。
契約書全般に言えることですが、契約書の名前(売買契約書、請負契約書など)で判断するのではなく、内容を確認して判断する必要があります。
請負契約と、準委任契約の判断する基準として、契約書で目的となっている業務が具体的に特定されているかが重要です。

請負型の場合

請負契約型であれば、仕事の完成が目的のため、仕事を完成したことによって、報酬を受け取ることができます。
そのため、成果物の記載があり、完成までの納期が定められていることが多いですし、成果物に対しての報酬の金額が記載されています。
作業場所に関しては、請負人の事務所等で作業をすることが多いです。

準委任型の場合

準委任契約の場合は、事務を委任するため、事務処理について具体的に内容が記載されており、事務処理を継続する期間について記載されています。
報酬については業務ごとに金額が書いてあったり、業務に要した時間に対して報酬が記載されていることが多いです。
事務処理をする場所は、業務内容によって異なりますが、個人情報を処理をする関係上委任した者が指定する場所で業務を処理することもあります。

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業務委託契約が労働者派遣となってしまう場合

業務委託契約で注意する点として、指揮命令権が誰にあるかが重要となります。
指揮命令権が注文者や委任したものにある場合は、労働者派遣業とみなされる可能性があります。
業務委託契約の場合は、請負人と受任者が指揮命令権を持っています。
注文者、委託者が指揮命令権を持っている場合は、労働者派遣となる可能性もありますので十分に注意してください。

まとめ

業務委託契約を締結する際には、その契約が請負型なのか準委任型の契約かどうかを判断する必要があります。
請負型か委任型(準委任型)で責任が異なります。
請負型であれば仕事の完成、委任型では契約に定められた事務処理が行われているかどうかが問題となります。
契約の内容がわからず、業務委託契約の締結をご検討の方は事前に行政書士などの専門家に相談することをお勧めいたします。

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