日本で同性のパートナー同士の婚姻は認められるのか、パートナーシップ契約と養子縁組

現在の法律では、婚姻は異性間でのみ認められるとされていて、同性のカップル同士は法律上の婚姻はできません。
そういった場合どういった手続きをとれば、相手と婚姻以外の法的な関係を築けるのでしょうか。
今回の記事では、同性のパートナーが婚姻と同様の法律関係を築くにはどんな方法があるかを解説していきたいと思います。
同性パートナーが別れる時に必要となる手続き

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日本の法律で同性のパートナーが婚姻することは可能なのか

現在の日本の法律では、同性のパートナーが市役所などに婚姻届を提出することによる法律上の婚姻は行うことができません。
日本の憲法では、両性や夫婦と言った言葉を使用していますので、この時代は婚姻は異性間でのみ認められることを前提としていたことが推察できますが、解釈上必ずしも憲法の条文は同性婚を禁止する趣旨ではないという考え方が有力となっています。

憲法
第二十四条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
② 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

日本国憲法 | e-Gov法令検索より引用

海外や日本での同性婚の動き

日本では同性婚は認められていませんが、海外ではベルギー、スペイン、ノルウェー、スウェーデン、同性婚を認めている国もありますし、日本でも渋谷区、などで同性間の社会生活関係をパートナーシップと定めて、一定の契約を公正証書で締結した同性パートナーに対して、区長がパートナーシップ証明を行っていますし、類似の制度を世田谷区、三重県伊賀市、兵庫県宝塚市、沖縄県那覇市などでも行っており同性婚という制度ではありませんがパートナー同士が一定の優遇措置を受けれるようになります。

婚姻と同じような法的関係を築くにはどうすれば良いのか

同性のパートナー同士は法律上の婚姻をすることができないため、同性のカップルが婚姻と近しい法律関係を築くには婚姻とは違う法的な手続きを複数行うことで補う事ができます。

パートナーシップ契約

パートナーシップ契約とは、婚姻関係に準じた法律関係を構築するための契約全般の事を言います。
口頭でも、パートナー契約を締結することは可能ですが、書面で作成することが一般的です。
パートナーシップ契約は、法律婚に類似した法律関係を作ることが目的のため、その旨を契約に記載し明確にして、同居、協力、貞操を守る義務やお互いに生活費を負担する義務、家事や介護に関する役割分担なや財産をどうするかなど状況に合わせて契約書を作成することになります。
パートナーシップで様々な事柄を契約書に記載するわけですが、どんな内容でも、決めることができるわけではなく、絶対に分かれることはできないとか、分かれるには全財産を相手に渡すといった内容は無効と判断される可能性が高いと考えられますし、相続に関してパートナー契約をしていても、法定相続人にはならないため、遺言を作成するか養子縁組をして、別途対策する必要があります。

養子縁組

養子縁組とは、養親と養子の間に法律上の親子関係を作り出すことができる制度の事をいいます。
養子縁組を行うことにより、養親と養子には、通常の親子関係と同様に扶助義務、相続権(親子として)も発生することになりますが、パートナーで望むような同居、協力、貞操を守る義務、婚姻費用分担の義務は当然に発生しないため、養子縁組と合わせて、パートナーシップ契約で上記の権利義務を発生させる必要があります。
養子縁組をするためには、役所で養子縁組届を取得して、同性パートナー双方及び証人2名が署名押印し、住所と本籍など必要事項を記載し所定の書類を役所に提出することによって養子の手続きが完了されますが、養子は本来法律上の親子関係を発生させるための制度で、同性同士のパートナーのための制度ではありません。
そのため、親子関係を目的としない養子縁組が法律上有効なのかという問題点があります。
他にも、養子縁組を解消するときに双方合意でない場合は、手続きが煩雑となりますので、その点も注意が必要となります。

任意後見契約

同性のパートナーと長年連れ添うと、お互い高齢になり、パートナーが認知症などになった場合どうすれば良いのかという問題が生じます。
夫婦間であれば、成年後見制度を活用することができますが、後見申立てができる人間は法律で決められており、同性のパートナーが申立てを行うことができませんし、仮に親族が申立てをしてくれても、後見人を選ぶのは家庭裁判所なので、パートナーが財産を管理してくれる保証もありません。
そういった場合は、事前に任意後見契約を締結することにより、任意後見受任者も申立人になれますし、任意後見人に就任することも可能ですので、上記の問題を解決できると考えられます。
任意契約を活用することにより、自分の信頼する方に財産管理を任せる事ができ、自己の意思で代理権の範囲を与えることができ、報酬なども自分で決定することができるのが利点と考えます。
任意契約をするには公証役場で公正証書によって契約書を作成する必要がありますので、事前に行政書士などの専門家に相談することをお勧めいたします。

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まとめ

日本では同性同士の婚姻が認められないため、同性のカップルが法律婚と同様の法律関係になるには、事前にパートナー契約を締結したり、養子縁組をしたり、任意後見契約をすることにより、法律婚と同様の効果を得ることは可能です。
養子縁組を行っていない、同性のパートナーは相続権もありませんので遺言を作成する事も必要となり、法的な手続きが必要です。
ご不明点などがあれば、当事務所にご相談いただければ幸いです。

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