建設業の見積もり作成期限と請負契約書の記載事項と印紙の金額

建設業でない取引でも同じだと思いますが、建設工事の受注の流れとして仕事の依頼を受けお客様に見積書を作成して送り、相手方がそれを承諾して契約書を作成してお互い署名押印をして取引をします。
建設業の取引でも見積もりを作成してから、請負契約書を作成して注文者との間で署名押印して仕事を請け負います。
建設業の場合は、見積書や請負契約書作成に一定のルールがあります。
今回の記事では建設業の見積もりや請負契約書の記載内容について解説していきたいと思います。
建設業の許可を取得するために必要な誠実性、財産的基礎、欠格事由

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建設業の見積もりの作成

建設図面

建設業で、注文者から依頼を受けて見積書を送る際に口頭で伝えるだけではいけないのでしょうか。
建設業法では、見積書を書面で作成せずとも法律違反にはなりません。
ただ、工事について注文者にできるだけ工事の具体的な内容を提示しなければならないとされていますし、後からトラブルになる可能性もあるため、具体的な内容を書面にして作成することが望ましいと思います。

見積を出すまでの期間の決まり

建設業では見積もりを作成する日付が決まっており、やむを得ない事情がない限り法律を守る必要があります。

建設業では、仕事を注文者から直接請け負った業者(元請負人)が仕事を別の業者(下請負人)に請け負わせることがあります。
建設業では適正に見積もりができるように元請負人は見積依頼の際に、法律で定められた見積期間を設ける必要があります。
見積期間とは、下請人に対する契約内容の提示から、請負契約の締結までの間で設けなければならない期間です。
見積もり期間は、元請負人が下請負人に対して見積依頼をする際に設定しなければならない期間のため、下請負人が自主的に見積もりを早く行うことまでは禁止していません。

見積もり期間

500万円未満1日以上
500万円以上5,000万円未満10日以上
※やむ得ない事情があるときに限り、見積もり期間を5日以内に限り短縮可能
5,000万円以上15日以上
※やむ得ない事情があるときに限り、見積もり期間を5日以内に限り短縮可能
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請負契約書のルール

書類

建設業法では、建設工事の明確性及び正確性の担保や当事者間の紛争発生の防止のため、書面で請負契約を締結することが求められています。
法律で定められた一定の事項を記載した書面に、請負系契約の当事者がそれぞれ署名又は記名押印をして、相互に書面を交付する必要があります。
請負契約書とは当事者一方が仕事を完成することを約束して、仕事を完成させてその報酬を支払いを受けることができます。
仕事の完成を目的とした契約なため、基本的に仕事が完成しないと報酬がもらえないため注意が必要です。

建設業許可と請負契約の金額

建設業許可を取得していない建設業者は500万円以上の工事を行うことができません。
そのため、金額の大きい工事を受注した際に、無許可業者が契約書を分割して金額を500万円未満にして工事をしようと考えるかもしれませんが、請負契約書を分割して請け負うことはできず、「工事の完成を2以上の契約に分割して請け負うときは各契約書の請負代金の合計額とする」とされています。

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請負契約を交わす方法

建設工事現場

請負契約を締結する方法はいくつかありますが、①請負契約書を交わす方法②基本契約書を交わして注文書、請書を交換する方法③注文書・請書の交換のみによる方法が考えられますが、どの方法でも一定事項を記載をして署名押印をして、相互に書面を交付する必要があります。
契約書は電子契約書でも可能です。
電子契約書であれば、署名押印が不要ですし、印紙も節約することができます。
契約の時期は原則として工事の着工前に行う必要があります。

請負契約書に貼付する印紙

記載された契約金額税額
1万円未満のもの非課税
1万円以上100万円以下のもの200円
100万円を超え200万円以下のもの400円
200万円を超え300万円以下のもの1,000円
300万円を超え500万円以下のもの2,000円
500万円を超え1,000万円以下のもの1万円
1,000万円を超え5,000万円以下のもの2万円
5,000万円を超え1億円以下のもの6万円
1億円を超え5億円以下のもの10万円
5億円を超え10億円以下のもの20万円
10億円を超え50億円以下のもの40万円
50億円を超えるもの60万円
契約金額の記載のないもの200円

建設業の請負契約書に記載しなくてはならない事項

建設業では、請負契約などに記載する事項が建設業法で定められています。

(建設工事の請負契約の内容)
第十九条 建設工事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従つて、契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。
一 工事内容
二 請負代金の額
三 工事着手の時期及び工事完成の時期
四 工事を施工しない日又は時間帯の定めをするときは、その内容
五 請負代金の全部又は一部の前金払又は出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期及び方法
六 当事者の一方から設計変更又は工事着手の延期若しくは工事の全部若しくは一部の中止の申出があつた場合における工期の変更、請負代金の額の変更又は損害の負担及びそれらの額の算定方法に関する定め
七 天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担及びその額の算定方法に関する定め
八 価格等(物価統制令(昭和二十一年勅令第百十八号)第二条に規定する価格等をいう。)の変動若しくは変更に基づく請負代金の額又は工事内容の変更
九 工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する定め
十 注文者が工事に使用する資材を提供し、又は建設機械その他の機械を貸与するときは、その内容及び方法に関する定め
十一 注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期
十二 工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法
十三 工事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置に関する定めをするときは、その内容
十四 各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金
十五 契約に関する紛争の解決方法
十六 その他国土交通省令で定める事項
2 請負契約の当事者は、請負契約の内容で前項に掲げる事項に該当するものを変更するときは、その変更の内容を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。
3 建設工事の請負契約の当事者は、前二項の規定による措置に代えて、政令で定めるところにより、当該契約の相手方の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて、当該各項の規定による措置に準ずるものとして国土交通省令で定めるものを講ずることができる。この場合において、当該国土交通省令で定める措置を講じた者は、当該各項の規定による措置を講じたものとみなす。

建設業法 – e-Gov法令検索より引用

FAXなどで仕事を受注できるのか

建設業ではFAXを利用して仕事の受注を受けることがあるかもしれませんが、建設業法19条では、署名又は記名押印された書面の原本を元請人と下請人それぞれに交付しなくてはなりません。
そのため、法律上ではFAXやメールなどで注文書などを送信するだけでは違反となります。

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まとめ

建設業法では、見積もりを作成して、請負契約書を締結して署名押印する必要があります。
見積もりを作成する期間や請負契約書に記載する内容については法律で決められています。
あまり意識することはないかもしれませんが、法律違反となることもあるため注意してください。
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