会計監査人と会計参与とは要件や選任方法、任期、報酬をわかりやすく解説しました

株式会社では、定時株主総会で計算書類を提出して株主の承認を受ける必要があります。
株主にとって計算書類は投資を判断するうえでとても重要な書類です。
会計参与は、取締役と共に計算書類を作成し、会計監査人は計算書類を監査します。
今回の記事では、会計監査人や会計参与について解説していきたいと思います。

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会計参与とは

パソコンで仕事

中小企業では、税理士などの助言などを受けて自社で決算書を作成する会社が多いかもしれませんが、税理士などのプロが決算書を作成するよりも信頼性が低い可能性があります。
信頼性を高めるには会計参与として税理士などを選任すれば、取締役と共同して作成することになりますので、結果的に計算書類の信頼性を高めることができます。

会計参与とは、取締役または執行役と共同して会社の計算書類を作成する会社の機関です。
会計参与を設置することは任意となりますが、税理士などが会社の機関として計算書類に関与することによって中小企業の計算書類の信頼性を高めることができます。

会計参与になるには

会計参与は、取締役や監査役のように、株主総会で選任されれば、誰でもなれるわけではなく、公認会計士、監査法人、税理士、税理士法人など国家資格を有する者しか就任することができません。
会計参与は、取締役、監査役、執行役、使用人との兼任は禁止されているため、会計参与の独立性は確保されています。
任期は取締役と同じで報酬は株主総会で決めるか委員会設置会社であれば、報酬委員会で決めることになります。

(会計参与の資格等)
第三百三十三条 会計参与は、公認会計士若しくは監査法人又は税理士若しくは税理士法人でなければならない。
2 会計参与に選任された監査法人又は税理士法人は、その社員の中から会計参与の職務を行うべき者を選定し、これを株式会社に通知しなければならない。この場合においては、次項各号に掲げる者を選定することはできない。
3 次に掲げる者は、会計参与となることができない。
一 株式会社又はその子会社の取締役、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人
二 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者
三 税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第四十三条の規定により同法第二条第二項に規定する税理士業務を行うことができない者

会社法 | e-Gov法令検索より引用

会計参与の業務

会計参与の業務は、取締役や執行役と共同して計算書類を作成する事と、会計参与が単独で会計参与報告を作成します。
会計参与は、計算書類を作成するため調査権(子会社調査権)が与えられています。

会計参与報告とは

会計参与報告に記載する事項として、会社との合意事項、共同して作成した計算書類の種類、準拠した重要な会計方針、計算書類の作成に用いた資料、必要な資料が得られなかったときはその旨と理由。取締役や執行役との協議事項等、計算書類の正確性の判断に必要な事項を記載して株主や債権者の閲覧に供されることになります。
会計参与は計算書類作成で不当や違法な行為を発見することありますので、不正行為の報告義務があります。

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会計参与の責任

会計参与は、悪意・重過失の任務懈怠に基づいて第三者に対して責任を負い、計算書類、会計参与報告の虚偽記載についても責任を負うことになります。

(役員等の第三者に対する損害賠償責任)
第四百二十九条 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
2 次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様とする。ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。
一 取締役及び執行役 次に掲げる行為
イ 株式、新株予約権、社債若しくは新株予約権付社債を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該株式会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録
ロ 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書並びに臨時計算書類に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録
ハ 虚偽の登記
ニ 虚偽の公告(第四百四十条第三項に規定する措置を含む。)
二 会計参与 計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに会計参与報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録
三 監査役、監査等委員及び監査委員 監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録
四 会計監査人 会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録

会社法 | e-Gov法令検索より引用
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会計監査人とは

業績を確認する社員

会計監査人とは、会社法の規定に従って会社の外部監査を行うものを言います。
会計監査人になるには、会計参与と同じように誰でもなれるわけでなく、公認会計士または監査法人でなければなりません。
公認会計士になるには国家試験に合格をして日本公認会計士協会に登録する必要があります。
監査法人とは5名以上の公認会計士を構成員とし、またはこれに公認会計士以外の者で登録を受けた特定社員を加えて公認会計士法に基づいて設立される法人の事をいいます。

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会計監査人を設置する意味

独立した機関である会計監査人(公認会計士)が計算書類を監査することによって、計算書類に対する信頼性が高まります。
会計監査人は、会計監査人になるための資格や選任手続きが法定されているため、高い独立性があり、調査権限も付与されていて会社に対する責任、第三者に対する責任が法定されているため、独立した外部監査機関として高い信頼性があるとされています。

会計監査人はどのような会社に設置されるのか

会計監査人は大会社、監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社では強制的に設置する必要があります。
監査役や監査等委員会、監査委員会も設置する必要があり、会計監査人のみを設置することはできません。

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会計監査人の選任方法と任期

会計監査人を選任するには、監査役、監査役会、監査等委員会、監査委員会が決定した議案に基づいて株主総会で選任します。
会計監査人の任期は1年ですが、株主総会で再任しない旨の決議がされなかったときは自動的に再任されることになります。
会社が解任議案を株主総会を提出するには、監査役等の決定が必要となり、報酬の決定にも監査役等の同意が必要となります。

会計監査人の業務

会計監査人は、委任契約に基づくため、他の役員と同様に善管注意義務を負うことになりますので、会社法上与えられた任務を懈怠して会社に損害を与えた場合は、他の役員と連帯して責任を負います。

会計監査人の権限

会計監査人には、監査に必要な権限を与えられています。
会計監査人には、会計帳簿の閲覧請求権、取締役、使用人から報告を受ける権限、子会社調査権を与えられていて、会計監査人の主な業務として監査報告の作成がありますが、監査の過程で会社の不正や違法行為を見つけた場合は、遅滞なく監査役に報告する必要があります。
報告を受けた監査役は不正違法な行為を是正する必要があります。
会計監査人はその業務に責任があるため、粉飾決算を見過ごして会社に違法配当させた場合や、監査の不適切な実施によって会社業務に支障を生じさせた場合、使用人の不正経理を見逃したり、不正行為を監査役に報告しないと責任を問われることになります。

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会計監査人の責任の免除

会計監査人の会社に対する業務にミスがあった場合の責任について、会社法の規定によらずに会計監査人の責任を免除したり、責任限定契約を締結することができません。

第三者に対する会計監査人の責任

会計監査人が悪意・重過失の任務懈怠によって第三者に損害を与えた場合は、第三者に対して損害賠償責任を負います。
第三者の損害として考えられるのは、計算書類が適正とされていたのに、それを前提とする価格で会社の株式を購入した株主が計算書類の虚偽記載で株価が暴落して損害を受けた場合などが考えられます。
第三者の損害が会計監査人が会計監査報告の重要事項について虚偽の記載をしたことについて起因するときは注意を怠らなかったことを証明しない限り、責任を免れることはできません。

まとめ

中小企業では会計監査人を設置することはまずありませんが、会計参与を設置して税理士に助言を受けて作成するだけでなく、共に計算書類を作成することは考えられます。
株式の購入を考えている者は、会社の計算書類を確認して会社の株式を購入するため、計算書類に虚偽があったり、不正確なものであると後から損害を受ける可能性があるため安心して投資をすることができません。

そのため、大会社などでは会計監査人の監査を義務化して計算書類の信頼性を高めています。
当事務所では、定款や株主総会議事録などの作成を代行しております。
株式事務の様々な手続きでは書類が必要となりますので、作成方法などでご不明点がございましたら、当事務所の問い合わせフォームからご相談ください。

※手続きでご不明点がございましたら、是非当事務所に下記の問い合わせフォームからご相談ください
記事の内容は一般的な内容となっており、個別具体的な案件によっては結論が異なることもございます。
そのため、ご自身でお手続きをする際は、当事務所では責任を負いかねますのでご容赦ください。

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