飲食店を開業するための不動産会社との契約と物件選び
飲食店を経営するには営業をする店舗が必要となり、不動産を購入するか、賃貸契約を締結するか、百貨店やスーパーや駅ビルなど商業施設の一部を借りるなどして物件を用意することが一般的です。
居住用の物件を不動産会社で探したことがある方は多いと思いますが、店舗を探すことは少ないと思いますので、飲食店の店舗の流通と契約の種類について少しでもご理解いただければ幸いです。
今回は、飲食店を経営する際の物件選びと契約の種類について解説させていただきます。
飲食店の営業許可申請で気を付けること
目次
不動産の媒介契約の種類
飲食店を始めたいんだけど、飲食店の物件はどう探せばいいの?
物件を所有している場合や、個人的に借りられない場合は、物件を不動産会社に紹介してもらうことになります。
物件探しは、居住用の物件と共通点はありますが、複雑なので不動産の流通からどういった店舗や契約があるのか解説します。
所有する不動産で飲食店を経営しない限り、店舗が必要となりますので、不動産会社で物件を探すことになります。
不動産会社が物件をどうやって流通させているのか、不動産を契約するときの仕組みについて解説していきます。
媒介契約とは
不動産会社に行き、物件を探すときは、購入するにしても、借りるにしても、不動産会社と買主(借主)が直接契約をするわけではなく、不動産会社は売主(貸主)と買主(借主)を仲介するだけですので、契約は売主と買主が当事者となります。(不動産会社が売主、貸主になる場合もあります)
不動産会社は売主と貸主を仲介することにより、手数料を貰うため、売買代金を直接受け取ることはありませんが、売買代金で仲介手数料が変わるため、不動産仲介会社は高い値段の物件を仲介すれば高額の手数料を得ることができます。
売買物件を仲介する際は、不動産会社は媒介契約書を作成して交付しますが、賃貸の仲介の場合は媒介契約の作成が義務付けられていないため、口頭でも可能となります。(宅建業法34条)
媒介契約の種類
媒介契約は売主(物件を流通させたい人)と不動産会社が契約をします。
売買する物件を仲介するときには媒介契約書の作成義務して交付する必要があります。
媒介契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類あり、内容も異なりますので、事前に確認が必要です。
売買を仲介する際には、媒介契約を作成して交付する必要があります。
媒介契約には種類があり、不動産会社に依頼しても自分で買主を探すこともできる一般媒介契約、専任媒介契約と依頼主が買主を見つけて契約ができない専属選任媒介契約があります。
一般媒介契約(通常の媒介契約)
一般媒介契約を締結している場合は、依頼主は自分で買主を探すことが可能で他の不動産会社に依頼でき、媒介契約の有効期間も無制限となります。
不動産会社は、指定流通機構(レインズ)への登録は任意です。
専任媒介契約
専任媒介契約の場合は、通常の媒介契約と同様に依頼主は自分で買主を探すことは可能ですが、他の不動産会社に依頼することはできません。
専任媒介契約の有効期間は3カ月以内とされているため、契約期間を無制限とすることができません。
専任媒介契約の場合は、指定流通機構(レインズ)への登録が義務となっています。
専属専任媒介契約
専属専任媒介契約は、依頼した売主は自分で買主を発見できず、複数の不動産会社に仲介依頼することもできません。
媒介契約の有効期間は3カ月以内となっており、指定流通機構への登録も義務となっています。
※専属専任媒介契約だと、自分で買主や他の不動産会社に依頼できないため一見不利に見えますが、不動産会社も力を入れて客付けをするため、結果的には依頼主に有利になることもあります。
飲食店の店舗物件の種類
住居用の物件、店舗に限らず、物件を購入するにしても借りるにしても売主(貸主)が不動産業者に依頼をして物件を登録して、不動産会社を通して、不動産を購入若しくは、借りるという流れが一般的です。
資金があれば、不動産を購入して飲食店を始める事もできますが、賃貸で飲食店を始めたい場合は、居抜き店舗とスケルトン物件のどちらかを選ぶことになります。
居抜き店舗
居抜き店舗とは、造作使用権譲渡(造作譲渡)といって以前の店舗の内装や、設備を前の借主から譲り受けるかたちで借り受けることをいいます。
居抜き店舗は、リース店舗と違い、前の借主から内装や設備を譲り受けるため、家主との契約とは別の契約です。
居抜き店舗のメリット
居抜き店舗のメリットとして内装や設備を全て自分で購入するよりも安価で出店ができることです。
飲食店を経営するには、様々なコストがかかるため、初期費用が抑えられるため、メリットとしては大きいです。
居抜き店舗のデメリット
デメリットとして、前の店舗の撤退理由によりますが、前の店舗で経営が上手くいかなかった可能性が考えられ、撤退した飲食店と同じ業態だと、経営が難しくなる可能性があります。
スケルトン店舗
スケルトン物件とは店舗の内装や設備が全て撤去されている状態で貸し出されている物件の事をいいます。
居抜き店舗の場合は、前の借主の内装や設備がある店舗ですが、人気もあるため出店を考えている地域で申し込みが殺到すると契約をすることができない事もあります。
居抜き物件の方が、初期費用を抑えることができますが、物件確保が難しいため、自らが希望する店舗であれば、少し費用が発生しますが、妥協した居抜き店舗よりスケルトン店舗の方が良い物件が確保できることもあります。
店舗を借りる契約の種類
店舗を借りるにも、土地だけを借りる借地契約や、オーナーが店舗を建て、それを賃借する建て貸し契約、百貨店やスーパーなど商業施設の中の一部を借りる契約など多様な契約があります。
下記で店舗の賃貸借契約の主な契約例について解説していきます。
賃貸物件
賃貸物件は賃料を支払い店舗を借りる契約です。
借りる店舗はオフィスビルやマンションの一室、戸建て建物などがあります。
居抜き物件の場合は、最終的に設備や内装はどうすれば良いのか確認をしてから契約をするようにしてください。
借地契約
店舗に使う土地を借りる契約の事で、土地を借りて自分で店舗を建て飲食店を営業します。
基本的には借りた土地の上に建物を建てることになりますが、店舗を建てる場合は設備工事の費用をどうするか契約期間や最終的に建物はどうするかを確認する必要があります。
インショップ
百貨店やスーパーなどの一部を借りて店舗を運営することになります。
通常の賃貸契約とは違い固定賃料と歩合を支払わなくてはならない事もあります。
契約の内容が業務委託契約になっていることもあり、内容が複雑な事もあるため、事前に行政書士などの専門家に契約書の確認をしてもらいましょう。
インショップの情報は、専門の不動産会社が取り扱っているため、町の不動産会社だと取り扱っていないことが多いです。
まとめ
飲食店を開業するにあたって、不動産会社に行き物件を紹介してもらうことが一般的だと思います。
サラリーマンが、店舗用の物件を借りるのは、初めての経験だと思いますので、良くわからないことが多いのではないでしょうか。
店舗の場所を後から変更するのは、時間と多額の費用を要するため、良い物件と悪い物件を沢山みて、長い期間をかけて物件を探すことが大切だと思います。
当事務所では、飲食店許可申請の代行をしていますので、ご不明点がございましたら、下記問い合わせフォームからお問い合わせください。
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記事の内容は一般的な内容となっており、個別具体的な案件によっては結論が異なることもございます。
そのため、ご自身でお手続きをする際は、自己責任でお願い致します。
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