後見人は葬儀などの死後の手続きも行う必要があるのか

判断能力がない方は、法律行為を一人で行うことができません。
意思能力がない者が行った遺産分割協議や、契約などの処分行為は無効となってしまいます。
親族など一定の者は、成年後見制度を活用するために家庭裁判所に申立てを行い、成年後見人を選任してもらい、代わりに遺産分割協議などの手続きを行ってもらうことになります。
後見制度の問題点として、後見人は家庭裁判所が選任をするため、親族などが後見人に選ばれないことがあります。
自分が希望する方にお願いしたい場合は、事前に本人が後見人を選任しておく事もできます。
後見人が遺産分割協議などを代理した後も、後見人が亡くなるまでは、基本的に任務を行うことになります。
成年被後見人が生きている間は、後見人が法的な手続きを行ってくれることになりますが、亡くなった後の手続きは誰が行うのでしょうか。
今回は、後見人は葬儀などの死後の手続きを行う必要があるかを解説させていただきます。
遺言で実現できる事とできない事の解説と死後事務委任契約の活用方法

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目次

後見人は死後の手続きを行うのか

葬式

成年被後見人(認知症などで判断能力がない方)が亡くなった場合は、成年後見は終了するため、後見人は法定代理権などの権限を失うことになります。
そのため、成年後見人は、その後の事務手続きを行う必要がありませんが、成年後見人は一定の死後事務を行うことが周囲から期待されていて、一部対応する後見人の方もいらっしゃいます。

死亡届の提出

人が亡くなるとまず、死亡届を提出して、葬儀などを行いその後に火葬と納骨を行います。
後見人は死亡届の届出人となることが可能なため、必要に応じて届出をすることができますが、届出義務者ではないため、後見人は必ず死亡届を提出しなくてはならないわけではありません。

火葬と埋葬の手続き

成年後見人は死後の事務に関して、「成年後見人は、成年後見人の死亡後に、家庭裁判所の許可を得て、死体の火葬又は埋葬に関する契約の締結をすることができる」と定められており、成年被後見人が亡くなった後に、成年後見人が火葬埋葬の手続きを求められた場合に行うことができるとされていますが、義務ではありませんので、あくまで行うことができるということになります。
民法873条の2に基づいて死後事務を行うことができるのは、成年後見人のみで、保佐人や補助人は行うことができないため、注意が必要となります。

成年後見人の職務とされていない行為

成年被後見人は基本的に成年被後見人が亡くなると職務が終了しますので、死後の手続きを行う義務は発生しません。
ただ、周囲から死後事務を行うことを期待されてやむを得ず死後の事務を行うことがあります。
成年後見人の権限で法律で明記されていない事項についてどのような取り扱いがされているのか解説していきたいと思います。

成年被後見人が亡くなると、病院などから遺体の引取りをしてくれとお願いされることがありますが、遺体は民法で死体の火葬又は埋葬に関する契約の締結という権限が与えられているため、葬祭業者などの契約締結も行うことできると考えられています。
遺体を引取った後に葬儀までできるのかというところですが、葬儀は火葬や遺体の引取りと違い公衆衛生上不可欠ではく、葬儀を行わなくても相続財産が減少する恐れがないため、相続人が行うこと適当と考えられております。
そのため、成年被後見人が亡くなった時に親族がいないため、やむを得ず葬儀を行った場合は事務管理の規定に従って処理されると考えられます。
葬儀の後の納骨も成年後見人はできるとされていますので、遺体の引取りから火葬、納骨はスムーズにできると思われます。

遺体の引取り

成年被後見人が亡くなると、病院などから遺体の引取りをしてくれとお願いされることがありますが、遺体は民法で死体の火葬又は埋葬に関する契約の締結という権限が与えられているため、葬祭業者などの契約締結も行うことできると考えられています。

葬儀

遺体を引取った後に葬儀までできるのかというところですが、葬儀は火葬や遺体の引取りと違い、公衆衛生上不可欠ではく、葬儀を行わなくても相続財産が減少する恐れがないため、相続人が行うこと適当と考えられておりますが、成年被後見人が亡くなった時に親族がいないため、やむを得ず葬儀を行った場合は事務管理の規定に従って処理されると考えられます。
葬儀の後の納骨も成年後見人はできるとされていますので、遺体の引取りから火葬、納骨はスムーズにできると思われます。

民法
(事務管理)
第六百九十七条 義務なく他人のために事務の管理を始めた者(以下この章において「管理者」という。)は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理(以下「事務管理」という。)をしなければならない。
2 管理者は、本人の意思を知っているとき、又はこれを推知することができるときは、その意思に従って事務管理をしなければならない。

民法 | e-Gov法令検索より引用
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まとめ

成年後見人は成年被後見人が亡くなると任務が終了しますが、亡くなった方に親族がいない場合に、周りから一定の死後事務をお願いされる事があります。
そういった場合は、死亡届の提出から遺体の引取り、火葬、納骨を行うことができますが、義務ではないため後見人は必ず行わなくてはならないわけではありません。
法律で権限が与えられている事項に関しては後見人も行うことができ、一定の事務は、成年後見人はできるとされています。
当事務所では死後の手続きに関して解説をしておりますので、宜しければ別の記事もご覧いただければ幸いです。

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そのため、ご自身でお手続きをする際は、自己責任でお願い致します。

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