npo法人の会員の会費と寄付の違いと資産や会計について解説します

NPO法人
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NPO法人では、会費が主な収入源になります。
そのため、会費を安くしすぎると運営が厳しくなる可能性があります。
NPO法人では、株式会社と違い利益を社員に分配できず、会員から会費を徴収することができます。
NPO法人では、活動に賛同して応援してくれる会員をいかに増やせるかが、運営のコツになるのではないでしょうか。
今回の記事では、NPO法人の会費と寄付金の違いや一般的なNPO法人の会計について解説したいと思います。

NPO法人の収入源

NPO法人を設立した後には、株式会社など他の法人と同様に、お金がなければ運営ができません。
NPO法人は利益を出してはいけないと勘違いされている方もいらっしゃいますが、利益を得ても問題ありませんし、運営するときには利益がないと運営を継続することは難しいです。
NPO法人の主な収入源として、事業収入や会費、寄付金が考えられますが、基本的に会費や寄付金などで運営してくことが考えられます。
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会員とは

会員とはNPOに加わっている個人や団体のことを言います。
定款で会員の種類を細かく分けることもでき、定款で議決権のある会員を正会員、議決権はなくその活動に協賛して資金を支援してくれる会員を賛助会員といったように決めることもできます。
他にもサービスのみを提供する会員など柔軟に決めることが可能ですが、基本的に会員(社員)になりたいという人が現れた場合、不当な条件を付け断ることができません。

NPO法人の会費

NPO法人では、営利法人と違い、会員は会費を徴収されますが、NPO法人ではこの会費が重要な収入源となります。(会費を徴収しないこともできます)
営利法人の株式会社では、株主(社員)は利益などを分配して利益がでたら、株式会社から配当として利益の一部を受け取ることができますが、非営利団体では、利益を会員に分配はできず、逆に会費を支払いその活動目的などを応援していく事になりますので、一般的な営利法人と考え方が異なります。
会費は正会員、賛助会員で会費を違う金額にすることは可能ですが、金額が正会員、賛助会員とも同じであれば、まとめて会費の金額を記載して大丈夫です。
定款では入会金や会費を記載しますが、定款を変更する時には手続きが必要なため、具体的な金額を別の規則で定めることも可能ですが、設立認証申請の際には会費の提示が求められますし、定款の附則や設立総会の議事録にも設立当初の金額は記載しておく必要はあります。
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会費の金額についてのルール

金額については特別な決まりはなく、基本的に自由に決めることができますが、社員の会費をあまりにも高い金額にすると、社員の資格の得喪に関して不当な条件付けと解されてしまう可能性があるので、常識の範囲内にしましょう。
社員以外の社員(賛助会員)などの会費については、自由に定めることができますが、不当に高額にしてしまうと不特定かつ多数の者の利益の増進に抵触してしまう可能性があります。
加入者にとって大きな負担にならなければ大丈夫とされていますが、常識的な金額にしましょう。
金額については、定款で社員総会以外に理事会にすることもできます。
定款には、入会金を定めない場合には、会費のみを記載して、会費も入会金も必要ない時は両方記載しません。

会員の資格の喪失などの記載方法

会員の資格を喪失させる事項があれば、その旨を定款に記載します。
社員の資格の得喪に不当な条件を付してはならないという規定があるため、不当な条件を付けることはできません。
例えば、会員が亡くなった時や会費を滞納した場合、会員自ら退会を申し出たときなどに資格を喪失させることができると考えられますが、記載できることは限定的です。
除名を資格喪失の条件とする場合には、除名に関する規定を置く必要があります。
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会費と寄付金の違い

会費と寄附金の差異については、これらの違いを十分に理解せずに会費を寄附金として扱うと、誤った計算により認定基準の一つである要件(PST(パブリック・サポート・テスト)市民から広く支持を得ているとみなす基準)を充たしてしまうこととなり、NPO 法人全体の信頼性の低下につながるおそれがあります。
会費とは、税務上、サービス利用の対価又は会員たる地位にある者が会を成り立たせるために負担するものとされており、寄付金は直接の反対給付がない経済的利益の供与であり会費と寄付金は基本的に異なるものとされています。
なお実態的には、会費として扱われているものには、①社員(正会員)たる地位にある者が会
を成り立たせるために負担すべきもの
(「正会員受取会費」等)、②支出する側に任意性があり、
直接の反対給付がない経済的利益の供与としての寄附金の性格を持つもの
(いわゆる「賛助会員
受取会費」等)、③サービス利用の対価としての性格を持つもの(例えば「○○利用会員受取会
費」等)、の3つに分けられます。③に関しては、活動計算書において、事業収益として計上しま
す。
また、将来的には一つの「会費」の中に、①と②、②と③というように複数の性格を持つものがある場合には、その性格によって、明確に区分して計算書類に計上することが望まれます。

NPO法人を運営するうえで必要な運営資金

NPO法人も普通の会社と同様に、運営資金がないと活動をすることができません。
NPO法人の場合の主な運営資金は会員からの会費が主になると思います。
その他にも活動の対価を得ることもできるため、その利益の部分が活動資金になるかと思います。
他にもその他の事業を行い運営資金を得ることもできます。
その他の事業がある場合の定款の記載は、資産はその他の事業がある場合には、事業別に区分して記載してください。
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NPO法人の会計原則

NPO法人の会計は下記の3つの原則が法律で決められています。
1.会計簿は、正規の簿記の原則に従って正しく記載すること。(正規の簿記の原則)
2.計算書類(活動計算書・貸借対照表)及び財産目録は、会計簿に基づいて活動に係る事業の実績及び財政状態に関する真実な内容を明確に表示したものとすること。(真実性・明瞭性の原則)
3.採用する会計処理の基準及び手続きについては、毎事業年度継続して適用し、みだりにこれを変更しないこと。(継続性の原則)
NPO法人の帳簿が必要となりますが、収益事業をするなら複式簿記で記帳した方が良いでしょう。
主要簿として総勘定元帳を作成して、補助簿として現金出納帳、売上帳、仕入帳など必要な帳簿を作成するようにしましょう。
NPO法でその他の事業に関する会計は、当該特定非営利活動法人の行う特定非営利活動に係る事業に関する会計から区分して、特別の会計として経理する必要があります。
他にも法人税法上の収益事業と収益事業以外の活計区分もあり、各NPO法人で作成する計算書類はことなります。

(会計の原則)
第二十七条 特定非営利活動法人の会計は、この法律に定めるもののほか、次に掲げる原則に従って、行わなければならない。
一 削除
二 会計簿は、正規の簿記の原則に従って正しく記帳すること。
三 計算書類(活動計算書及び貸借対照表をいう。次条第一項において同じ。)及び財産目録は、会計簿に基づいて活動に係る事業の実績及び財政状態に関する真実な内容を明瞭に表示したものとすること。
四 採用する会計処理の基準及び手続については、毎事業年度継続して適用し、みだりにこれを変更しないこと。

特定非営利活動促進法 | e-Gov法令検索より引用

活動計算書

事業年度におけるNPO 法人の活動状況を表す計算書です。営利企業における損益計算書に相当するフローの計算書で、NPO 法人の財務的生存力を把握しやすくするため、平成24年の法改正において資金収支ベースの収支計算書から改めることとなったものです。
受け取った会費や寄附金、事業の実施によって得た収益や、事業に要した費用、法人運営に要した費用等を記載します。

貸借対照表

事業年度末におけるNPO 法人の全ての資産、負債及び正味財産の状態を示すもので、資金の調達方法(負債及び正味財産)及び保有方法(資産)から、NPO 法人の財務状況を把握することができます。流動資産として現金預金、未収金、棚卸資産、前払金等を、固定資産として土地・建物、什器備品、長期貸付金等を、流動負債として短期借入金、未払金、前受金等を、固定負債として長期借入金、退職給付引当金等を記載します。

財産目録

計算書類を補完する書類として位置付けられるものです。科目等は貸借対照表とほぼ同じですが、その内容、数量等のより詳細な表示がされます。また、金銭評価ができない歴史的資料のような資産についても、金銭評価はないものとして記載することは可能です。
前出の作成例、科目例は、「NPO 法人会計基準」をベースとした計算書類等の標準的な科目例、様式例、記載例ですが、計算書類の作成に当たっては、これらに限定されるわけではなく、上記の位置付けに該当するものであれば足ります。例えば現金預金以外に資産や負債がないようなNPO 法人においては、より簡易な記載で作成することも可能です。
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NPO法人の予算について

NPO法人は通常総会で決算の承認と予算の決定を行う場合には、予算の成立をしてから総会を開催してください。
予算の修正や追加を行う場合もありえますので、予算の追加の文言を定款に記載した方が良いかと思います。

事業報告及び決算

事業報告は毎事業年度終了後3か月以内に、所轄庁に報告をしなくてはならないため、事業報告書、活動計算書、貸借対照表及び財産目録を速やかに作成させる文言を定款に記載する必要もあります。
事業年度については、法律で決まりはありませんので、自由に定めることができますが、所轄庁で認証手続きを経て登記申請をしてNPO法人が設立されますので、事業年度を逆算しないと直ぐに事業報告書を作成しなくてはならない可能性があります。
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まとめ

NPO法人の活動資金を得るのは、通常の法人よりも大変だと思います。
安定した活動予算を得るためには、会員を増やして会費を得るのが一番安定して運営資金を得ることができるかと思います。
※手続きでご不明点がございましたら、是非当事務所に下記の問い合わせフォームからご相談ください
記事の内容は一般的な内容となっており、個別具体的な案件によっては結論が異なることもございます。
当該コンテンツの正確性、相当性、完全性などに対して当事務所は保証は致しませんので、ご了承ください。

プロフィール
この記事を書いた人
NPO法人設立運営サポートセンター

私は約10年間にわたり法律関連の仕事に従事してきました。司法書士事務所と行政書士事務所での経験を通じて、多くの案件に携わり、幅広い視点から問題を解決してきました。
私たちの事務所では、行政書士としての専門知識だけでなく、提携先の士業事務所と連携し、対応できない案件にも柔軟に対応しています。どんな問題でも、お気軽にご相談いただければ幸いです。

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