npo法人設立の流れや所轄庁、設立趣旨書などの必要書類の書き方や法務局での登記や認証の費用を解説します

NPO法人
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NPO法人を設立するには、所轄庁で認証手続きをし、その後法務局へ登記をして、設立登記完了届出書を所轄庁に提出して手続きが完了します。
株式会社の設立と異なり、書類作成から申請、縦覧、審査が完了するまで概ね3ヶ月から4か月程度かかります、NPO法人を設立しようと思い、仲間を集めて設立することになったのに、手続きが煩雑で時間をとってしまい、一番大切な活動内容に集中することができないこともあります。
今回の記事では、NPO法人の認証手続きの流れや必要な書類について解説していきたいと思います。

NPO法人を設立するには

NPO法人を設立するには、所轄庁での手続き、法務局での手続きが必要です。
株式会社の設立と異なり、ご自身で書類作成をして、所轄庁への設立認証申請して、設立登記が完了するまで3ヶ月~4か月程度の時間を要します。
NPO法人は不特定多数の者の利益の増進に寄与することのみを目的にすることができます。
NPO法人をするには下記の事項を守る必要があります。

(定義)
第二条 この法律において「特定非営利活動」とは、別表に掲げる活動に該当する活動であって、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするものをいう。
2 この法律において「特定非営利活動法人」とは、特定非営利活動を行うことを主たる目的とし、次の各号のいずれにも該当する団体であって、この法律の定めるところにより設立された法人をいう。
一 次のいずれにも該当する団体であって、営利を目的としないものであること。
イ 社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと。
ロ 役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の三分の一以下であること。
二 その行う活動が次のいずれにも該当する団体であること。
イ 宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とするものでないこと。
ロ 政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とするものでないこと。
ハ 特定の公職(公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第三条に規定する公職をいう。以下同じ。)の候補者(当該候補者になろうとする者を含む。以下同じ。)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とするものでないこと。
3 この法律において「認定特定非営利活動法人」とは、第四十四条第一項の認定を受けた特定非営利活動法人をいう。
4 この法律において「特例認定特定非営利活動法人」とは、第五十八条第一項の特例認定を受けた特定非営利活動法人をいう。

特定非営利活動促進法 | e-Gov法令検索より引用

NPO法人の認証手続きの流れ

NPO法人を設立する場合は、最初に設立総会を開催します。
NPO法人を設立しようとする代表者は、設立趣旨書及び定款案を作成します。
その後、設立代表者は、趣旨に賛同する人(社員になる意思のある人)を募って、設立総会を開催します。
設立の趣旨、役員や会費、活動目的と実際に行う活動などを、設立趣旨書、定款、事業計画書、活動予算書にまとめるように話し合いをします。
話し合いをした後に、設立総会を開催して意思決定をして、内容を議事録にまとめます。

所轄庁と法務局への書類提出

設立総会が終了し書類が整ったら、所轄庁(都道府県知事又は政令指定都市の長)に書類を提出して設立認証申請を行います。
提出した書類に問題がなければ、縦覧期間2週間、審査期間の2か月を経て、認証か不認証の決定があります。
認証された場合は、認証書が郵送されてくるので、登記申請書を作成して法務局に登記申請をして、登記が完了したら、所轄庁への設立登記完了届出書を提出して手続きが完了します。
認証手続きには手数料などの費用は発生しませんが、行政書士などの専門家に依頼をすると報酬は発生します。
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所轄庁へ提出する書類

NPO法人を設立する際には、書類を所轄庁に提出する必要があります。
書類の提出先は、主たる事務所の都道府県知事です。
主たる事務所が政令指定都市にあるときは、政令指定都市の長に書類を提出します。
例えば、主に埼玉県で活動している場合でも、東京都に主たる事務所がある場合は、東京都知事に対して申請を行うことになります。

申請する書類

1.設立認証申請書
2.定款
3.役員名簿及び役員のうち報酬を受ける者の名簿
4.各役員の就任承諾書及び宣誓書の写し(謄本)※謄本とはコピーのことです。
5.役員の住所又は居所を証する書面
  日本国内に住んでる人は、住民票の写し※写しと記載がありますが、住民票の原本の事です。
  海外に住む日本人外国人は、住所又は居所を証する権限のある官公署が発給する文書
6.社員のうち10人以上の者の名簿
7.確認書
8.設立趣旨書
9.設立について意思の決定を証する議事録の写し(謄本)※コピーのことです。
10.設立当初の事業年度及び翌事業年度の事業計画書(2年度分)
11.設立当初の事業年度及び翌事業年度の活動予算書(2年度分)
※所轄庁によって提出する書類が異なることがありますので、確認が必要です。

定款の記載事項

①目的
※主要な事業、活動で利益を受ける人、活動の最終目的を記載して、特定非営利活動を行う法人であることを明確にします。

名称
※NPO法人の名前を記載してください(法律で制限されている文言は使用できません)。

特定非営利活動の種類及び特定非営利活動に係る事業の種類
※活動の種類について詳細に記載します。
 将来的に活動する予定があれば記載することができますが、事業報告で活動内容を報告するので、ある程度、将来的に行うことが決まっている事を記載してください。

主たる事務所及ぶその他の事務所の所在地
※主たる事務所とその他の事務所を記載します。
 株式会社では、最小行政区画まで記載しますがNPO法人では、住所をすべて記載することが、一般的です。

⑤社員の資格の得喪に関する事項
※社員の資格の名称は法人で決めた名称で大丈夫ですが、正会員は、入会に制限を付けられませんので注意してください。

役員に関する事項
※理事、監事の選任方法、任期、報酬について明記します。

⑦会議に関する事項
※社員総会を実施する場合について記載します。通常総会は最低でも年1回以上開催すると記載してください。

⑧資産に関する事項
※資産の構成などを決めてください。

⑨会計に関する事項
※会計の原則と区分などを決めます。

事業年度
※事業年度を記載します。事業年度が終わると事業報告書を所轄庁に提出するため、設立する時から、縦覧期間、審査機関を逆算して、事業年度を決めたほうが良いかと思います。

⑪「その他の事業」を行う場合には、その種類及び当該「その他の事業」に関する事項
※特定非営利活動以外の事業を行うときは記載してください。

解散に関する事項
※解散するときの、残余財産の扱いについて記載してください。社員で分けることはできません。

定款の変更に関する事項
※所轄庁の認証を必要とする定款の変更についてを記載してください。
 NPO法人では定款を変更すると所轄庁の認証が必要になるものもあり、登記事項に変更があれば登記も変更しなくてはなりません。

⑭公告の方法
※公告とは、官報などに記載して、不特定多数の人間が見れるようにするものです。

⑮設立当初の役員
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役員名簿及び役員のうち報酬を受ける者の名簿作成

設立認証手続きには、役員名簿が必要ですが、役員名簿には、理事と監事の住所、氏名、役職を記載します。
氏名と住所を記載する際は、提出する住民票と、一言一句一致していなくてはなりません。
住民票の記載が、東京都新宿区歌舞伎町二丁目25番8号と記載してあれば、東京都新宿区歌舞伎町2-25-8とハイフンで表記することはできません。
役職は、理事長や、副理事を選任している場合は記載して、役員報酬があれば、報酬の有無を記載します。
誰に役員報酬を、支払うかは自由ですが、基本的には役員の報酬の制限がありますので、報酬を支払うのであれば、監事に報酬を支払うことが一般的でないかと思います。

就任承諾書及び誓約書

役員に就任する際には、株式会社でも就任承諾書を作成します。
NPO法人では、就任承諾書と欠格事由に該当しないこと、法律に違反していないことを宣誓しなくてはなりません。
この書類も役員名簿と同じように、記載する住所・氏名は、住民票の記載通り記載してください。

社員名簿

社員名簿には最低10人以上の社員(正会員)の氏名・住所を記載します。
社員に、法人が含まれる場合は、法人名と住所のほかに、代表者の肩書、氏名を記載します。

確認書

確認書は、特定非営利活動促進法に記載してある条項を設立総会で、確認しましたという書類です。
簡単に言うと、宗教、政治活動、選挙活動を目的としないこと、暴力団関係者でないということを証明する書類です。

設立趣旨書

設立趣旨書は、言葉のとおり設立の趣旨と申請に至るまでの経緯を記載します。
NPO法人にする前から、活動していた場合は、その活動と経緯、これからの活動の方向、法人化する必要性を記載します。
活動していない場合は、定款に定めた目的、事業に関連する社会経済の状況や問題点を記載すると良いかと思います。

議事録

開催した設立総会の内容を記載します。
内容は、総会の開催日時と開催場所、設立者、審議事項、議事録の経過と概要、議決の結果、議事録署名人の選任に関する事項を記載し、特に設立趣旨、定款、役員、事業計画、活動予算書、確認書の内容について必ず記載してください。

事業計画書(初年度、翌年度分)

NPO法人が事業年度内に実施する事業の計画について記載します。
下記の活動予算書と同じように初年度と、翌年度分を別々に作成してください。
計画をする事業年度、事業実施の方針、実施する事業について記載するのですが、各事業や事業年度など、定款の記載と相違があれば審査が通らないので、気を付けて記載してください。
各事業で、初年度や翌年度に実施しない場合は、「実施予定なし」と記載してください。
他にも、事業に従事する人数や、受益者の範囲や人数、予算書の事業費の金額を記載します。活動予算書とリンクするところもありますので、具体的に計画を立てて作成してください。

活動予算書(初年度、翌年度分)

活動予算書とは、融資を受ける際の書類のように、具体的にNPO法人を設立した時の収入と支出を考え、その内容を計画書として数字を記載します。
活動予算書を作成する際には、きちんと収入(寄付金や会費)と支出(家賃や人件費)を考えて具体的に記載しなくてはなりません。
内容は第三者にも公開されますので、具体的に記載してください。
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法務局での手続き

設立認証書が到達した日から2週間以内に、主たる事務所の所在地を管轄する法務局にて、NPO法人の設立登記をする必要があります。

所轄庁への設立登記完了届出書

登記が完了した後には所轄庁へ設立登記完了届出書を提出をします。

  • 設立登記完了届出書
  • 登記事項証明書
  • 設立当社の財産目録
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まとめ

NPO法人を設立する際には、所轄庁への書類の提出と法務局での手続きがあります。
所轄庁によって、審査期間や提出する書類が異なることもありますので、ご自身でお手続きをする際には、事前に所轄庁へ確認してから、手続きを行ってください。
設立の手続きが完了した後は、税務関係の届出、労働者を雇用する際には管轄の行政機関への手続きが必要です。
当事務所では、NPO法人の設立認証手続きを全国対応しております。
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記事の内容は一般的な内容となっており、個別具体的な案件によっては結論が異なることもございます。
当該コンテンツの正確性、相当性、完全性などに対して当事務所は保証は致しませんのでご了承ください。

プロフィール
この記事を書いた人
NPO法人設立運営サポートセンター

私は約10年間にわたり法律関連の仕事に従事してきました。司法書士事務所と行政書士事務所での経験を通じて、多くの案件に携わり、幅広い視点から問題を解決してきました。
私たちの事務所では、行政書士としての専門知識だけでなく、提携先の士業事務所と連携し、対応できない案件にも柔軟に対応しています。どんな問題でも、お気軽にご相談いただければ幸いです。

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