npo法人を解散するには清算人がする清算手続きや登記について解説します

NPO法人
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NPO法人を運営して思い通りに活動することができず、活動を辞めたいとお考えの方もいるのではないでしょうか。
NPO法人でも株式会社と同様に解散手続が必要です。
解散手続きの流れとして、社員総会での決議(解散する理由によって異なります)をして、清算人を選任して最終的に残余財産の処分をして法人格を消滅させます。
NPO法人の場合は、株式会社などの法人と異なり、別途所轄庁での手続きが必要です。
今回の記事では、NPO法人の解散の手続きについて解説していきたいと思います。

解散手続きについて

NPO法人の運営がうまくいかない場合は、NPO法人を解散するのも選択肢の一つだと思います。
NPO法人を解散するには、総会での議決・所轄庁の認証等の一定の手続きを経て、解散を行うことができます。

NPO 法人の解散事由

① 社員総会の決議
定款で定めた解散事由の発生
③ 目的とする特定非営利活動に係る事業の成功の不能
社員の欠亡
合併
⑥ 破産手続き開始の決定
設立の認証の取消し

(解散事由)
第三十一条 特定非営利活動法人は、次に掲げる事由によって解散する。
一 社員総会の決議
二 定款で定めた解散事由の発生
三 目的とする特定非営利活動に係る事業の成功の不能
四 社員の欠亡
五 合併
六 破産手続開始の決定
七 第四十三条の規定による設立の認証の取消し
2 前項第三号に掲げる事由による解散は、所轄庁の認定がなければ、その効力を生じない。
3 特定非営利活動法人は、前項の認定を受けようとするときは、第一項第三号に掲げる事由を証する書面を、所轄庁に提出しなければならない。
4 清算人は、第一項第一号、第二号、第四号又は第六号に掲げる事由によって解散した場合には、遅滞なくその旨を所轄庁に届け出なければならない。

特定非営利活動促進法 | e-Gov法令検索より引用

社員総会の決議

社員総会において、社員員数の4分の3以上の賛成をもって解散の決議をして解散することができます。定款にこの解散決議の要件が別途定められている場合にはそれに従います。

(解散の決議)
第三十一条の二 特定非営利活動法人は、総社員の四分の三以上の賛成がなければ、解散の決議をすることができない。ただし、定款に別段の定めがあるときは、この限りでない。

特定非営利活動促進法 | e-Gov法令検索より引用

目的とする特定非営利活動に係る事業の成功の不能

法人が目的とする特定非営利活動に係る事業を達成することができない事を解散の理由にするには所轄庁の認定が必要になります。

社員の欠亡

法律でNPO法人の社員は10人以上いなくてはなりませんが、社員が10人未満になっても直ぐに解散する必要はありません。
解散しなくてはならないのは、法律の要件を回復することができず、社員が1人もいなくなったときには、解散することになります。

破産手続き開始の決定

NPO法人が債務を完済することができなくなったときは、裁判所が理事若しくは債権者の申立てにより又は職権により破産手続き開始の決定をします。

法43条の規定による設立の認証の取消し

改善命令に違反した場合であって他の方法により監督の目的を達成することができないときなどは、法人の設立の認証を取り消すことがあるため注意が必要です。

清算手続き

法人が合併以外の事由で解散した際は、破産手続開始の決定の場合を除いて、理事が清算人になります。
清算となるのは定款に定めるがあるときや、社員総会において他の人を選任した時を除き、代表権を有する理事のみが清算人となるわけではなく、理事全員が対象となります。
裁判所は、清算人がいないときや清算人が欠けたため損害を生ずるおそれがあるときには、利害関係人若しくは検察官の請求により、又は職権で清算人を選任することができますし、重要な事由があるときは、裁判所は利害関係人若しくは検察官の請求や職権をもって清算人を解任することができます。
清算中に就任した清算人は就任後に法務局で登記が必要ですし、登記が完了したら、その旨の届出が必要な所轄庁もあります。
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清算人の業務

清算人は、以下の業務を行います。
①現務の結了
②債権の取立て・債務の弁済
③債権の申し出の公告(官報掲載の日から少なくとも2 カ月間)と催告
④公告と催告により判明した債務の分配を完了させる
⑤残余財産がある場合は、財産の引渡し

現務の結了

① 清算人は、法人の現在の活動を終了させる方向で業務を行いますので、現在の事業の拡大を行うことはできません。
② 既に締結されている契約(義務)を遂行するために新たな契約を締結することはできますが、業務を拡大するために新たな資材の購入を行うことなどはできません。

債権の取立て及び債務の弁済

① 清算人は、法人に債権があれば取り立て、債務があれば弁済します。
② 清算債務の弁済に関しては、解散時に判明している債権者と知られざる債権者双方に催告する必要があります。
これは解散後遅滞なく、官報及び定款に定めた方法(新聞掲載等)によって行う必要があり(債権の申出をする期間は2月以上)、はっきりと判っている債権者に対しては、個々に債権申出をするように催告しなければなりません。
③ 債務が超過している場合には、裁判所に対して破産手続開始の申立てをしなければなりません。裁判所により破産手続開始の決定が行われ、選任された破産管財人に事務を引き渡すと清算人の任務は終了します。
また、残余財産は、定款で定めた者に帰属しますが、その定めがない場合は、国又は地方公共団体に譲渡するか、最終的には、国庫に帰属することになります。

定款で定めることができる残余財産の帰属すべき者

① 他の特定非営利活動法人
② 国又は地方公共団体
③ 公益社団法人,公益財団法人
④ 学校法人
⑤ 社会福祉法人
⑥ 更生保護法人

(残余財産の帰属)
第三十二条 解散した特定非営利活動法人の残余財産は、合併及び破産手続開始の決定による解散の場合を除き、所轄庁に対する清算結了の届出の時において、定款で定めるところにより、その帰属すべき者に帰属する。
2 定款に残余財産の帰属すべき者に関する規定がないときは、清算人は、所轄庁の認証を得て、その財産を国又は地方公共団体に譲渡することができる。
3 前二項の規定により処分されない財産は、国庫に帰属する。

特定非営利活動促進法 | e-Gov法令検索より引用

法務局での登記

解散の手続きをしたら法務局での登記も必要になります。
主たる事務所の所在地を管轄する法務局で解散・清算人の登記を行い、解散公告や清算業務を完了したのち、清算結了の登記を行う必要があります。
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解散登記後に提出する書類(所轄庁によって異なります)

1.解散届出書
2.登記事項証明書
3.清算人就職届出

清算結了の登記後に提出する書類

1.清算結了届出書
2.登記事項証明書

その他

1.解散認定申請書
2.残余財産譲渡認証申請書
3.清算人就任届出書
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まとめ

NPO法人では、株式会社などの営利法人と異なり、解散をする際に所轄庁の手続きが必要です。
解散する理由によって手続きも異なりますので、ご自身では手続きが難しいと思います。
ご依頼をご検討の方は当事務所にご相談いただければ幸いです。

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記事の内容は一般的な内容となっており、個別具体的な案件によっては結論が異なることもございます。当該コンテンツの正確性、相当性、完全性などに対して当事務所は保証は致しませんのでご了承ください。

プロフィール
この記事を書いた人
NPO法人設立運営サポートセンター

私は約10年間にわたり法律関連の仕事に従事してきました。司法書士事務所と行政書士事務所での経験を通じて、多くの案件に携わり、幅広い視点から問題を解決してきました。
私たちの事務所では、行政書士としての専門知識だけでなく、提携先の士業事務所と連携し、対応できない案件にも柔軟に対応しています。どんな問題でも、お気軽にご相談いただければ幸いです。

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