相続人が相続分を親族や第三者に譲渡できるのか

相続手続き

相続手続きは、相続人を確定して、それと同時に被相続人(亡くなった方)の財産を調査して相続人全員で遺産分割をします。
基本的に相続手続きは時間がかかることが多く、自己の相続分の早く処分したい相続人もいるかと思います。
今回は、相続人が保有する相続分を第三者に譲渡することが可能なのかを解説したいと思います。

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相続分を譲渡することはできるのか

相談する老夫婦

一般的に相続手続きには時間がかかることが想定されます。
被相続人の出生から亡くなるまでの戸籍の収集をして、相続財産の調査をして相続人全員で遺産分割協議を行い話が調えば良いですが、調わない場合は数年単位で時間がかかることが想定されます。

相続人の中には、早急に自己の相続分を処分したいと希望したいという方がいらっしゃいます。
そういった場合は、調停や裁判をするしか方法はないのでしょうか。
あまり知られていませんが、法律で自己の相続分を第三者に譲渡することができます。

相続分の譲渡とは

相続分の譲渡の前に相続分の説明ですが、相続分とは積極財産と消極財産とを包括した遺産全体に対する相続人の割合的な持分の事を言います。
要するに相続分の割合で、相続人は財産を得たり借金などの負債を負担する責任があるという意味です。
相続放棄をすると、最初から相続人にはならなかった事になるため、財産を得る権利と債務などを負担する責任を負う必要がなくなります。

相続分の譲渡

相続分の譲渡とは、相続分を親族や第三者に譲渡する事をいいます。
相続分の譲渡をすることができるのは共同相続人か包括受遺者となります。

法律で譲渡に仕方について指定はありませんが、証拠として書面に残すことが一般的です。
相続分を譲渡するということは、相続人の地位の譲渡となりますので、財産だけではなく負債なども移転することになります。
相続分の譲渡は債権者の関与がなく行われるため、債権者に対して相続分の譲渡を行った事を理由に債務を免除することはできないと考えられます。

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相続分を譲渡したら誰が遺産分割をするのか

遺産分割協議書

相続人の1人が他の親族や第三者に相続分の譲渡をした場合は、相続人だった者に変わって、相続分を譲り受けたものが遺産分割協議を行うことになります。
そのため、第三者などが相続分の譲渡を受けたと申し出があった時には、譲渡を受けた証明書などを確認して対応することになります。

相続税や贈与税に注意が必要

一般的な話ですが、相続分を第三者に譲渡する場合は、譲渡人は法定相続分の相続をしてから第三者に譲渡することになるため相続税に注意が必要となりますし、相続分を有償で譲渡するときには別途譲渡所得の申告がが必要となることがあります。
相続分を無償で譲り受けた者も贈与税の申告が必要となることもありますので、税理士などの専門家に相談することをお勧めいたします。

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まとめ

あまり知られていないかもしれませんが、相続人は相続分を親族や第三者に譲渡することができます。
相続分の譲渡をすると、相続人が相続する予定だった財産や債務などのマイナスの財産を引き継ぐことになります。
相続分の譲渡を行うときには後から揉めないように書面で証拠を残すことが一般的となりますので、ご不明点があれば当事務所や専門家にご相談することをお勧めいたします。

※手続きでご不明点がございましたら、是非当事務所に下記の問い合わせフォームからご相談ください
記事の内容は一般的な内容となっており、個別具体的な案件によっては結論が異なることもございます。
そのため、ご自身でお手続きをする際は、自己責任でお願い致します。

プロフィール
この記事を書いた人
行政書士青嶋雄太

私は約10年間にわたり法律関連の仕事に従事してきました。司法書士事務所と行政書士事務所での経験を通じて、多くの案件に携わり、幅広い視点から問題を解決してきました。
私たちの事務所では、行政書士としての専門知識だけでなく、提携先の士業事務所と連携し、対応できない案件にも柔軟に対応しています。どんな問題でも、お気軽にご相談いただければ幸いです。

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