遺言を書く際に、遺言を残した人間の財産の目録があるとその後の手続きが楽になります。
誰にどのくらい財産を与えたいのか、自分が所有する財産はどのくらいあるのかを書類として残すことが必要です。
今回の記事では、遺言書を書く際に作成する財産目録について解説していきたいと思います。
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遺言書で承継する具体的な財産
遺言書を書く際に、まずどの財産を、誰に承継させるのかを決めますが、遺言書に記載する財産は、具体的にどんなものがあるのでしょうか、自筆証書遺言はもちろんですが、公正証書遺言でも公証人に作成を依頼する際に、どんな財産を誰に承継するかを決めます。
専門家に依頼しても、具体的な財産と誰に承継するかは、遺言者本人が考えなければなりません。
具体的な財産のリストを作成する
遺言書を作成する時には、事前に具体的な財産目録を作成するとスムーズに遺言を作成することができます。
相続が開始(人が亡くなる)すると、被相続人(亡くなった方)の一身専属権以外の財産や法律上の地位などは、全て相続人に引き継がれます。
遺言書に記載する相続財産は、一身専属権以外の財産が対象となります。
一身専属権とは、主に雇用契約上の地位、扶養請求権、財産分与請求権の事をいいます。
具体的な財産
不動産
不動産は、相続財産の中でも、価値が高く後から相続登記しなくてはならないため正確に記載する必要があります。
自宅の住所を遺言書に記載する方もいらっしゃいますが、遺言書に記載する際には、法務局で不動産の登記簿を取得して、土地であれば所在・地番・地目・地積、建物であれば所在地・家屋番号・種類・構造・床面積などを不動産の登記簿謄本と全く同じように記載してください。
不動産の賃借権
借地権・借家権などの賃借権は、財産的な価値があり、もしその地位が承継されなければ、相続人は賃貸物件などから出ていかなくてはならなくなります。
借地権は登記簿謄本の記載事項や、賃貸借契約期間・月額賃料・賃貸人を記載します。
預貯金
金融機関に預けている預貯金も相続財産となります。
金融機関名、支店名、預金の種類、口座番号を記載してください。
(残高を記載する時もありますが、金額が変動することもあるため、残高は記載しなくても良いかと思います)
最終的に、財産目録の預金を相続人に承継することになるので、後で相続人が金融機関で手続きがしやすいようにしっかり、漏れのないように記載してください。
株式
所有している株式も相続対象となります。
リストには、所有している会社の会社名、株式数、本店所在地などを記載します。
証券会社を通じで所有している場合は、証券会社の会社名や証券口座の番号など、わかることは細かく記載してください。
国債
証券が発行されている場合は、その通り記載します。
個人向け国債など、どんな国債を所有しているか種類も具体的に記載してください。
生命保険金
生命保険は基本的に相続財産ではありませんが、契約内容によって相続財産となる可能性もあるので、どんな生命保険を契約しているのか約款など契約内容を確認してください。
祭祀財産
家系図や、祭具お墓などの祭祀財産は相続財産でないので相続とは別に遺言で祭祀の主宰者に引き継ぎを行います。
広告まとめ
今回は、相続財産となる財産を記載しましたが、遺言書で財産を記載する際に、具体的に財産が特定されていないと、登記ができなかったり遺言書をせっかく残しても意味がなくなってしまいます。
相続が始まると、亡くなった方の財産を、正確に把握している相続人は少なく、財産を調査するのが大変になってしまいます。
なので、遺言書を作成する際には、しっかりどんな財産を所有しているのか記載してください。
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