遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言、危急時遺言などいくつか種類がありますが、全ての遺言書でも一緒なのは、誰にどんな財産を譲りたいのかを記載します。(認知など一部例外があります)
今回は遺言や遺産分割協議などで使われる清算型の遺言書について解説していきたいと思います。
清算型の遺言書・遺産分割協議とは作成方法
清算型遺言とは、遺言を書いた方が、亡くなったときに有する財産の全部または一部を換金して相続人や第三者に分配するというものです。
遺産分割協議の場面でも使われることがあり、主に不動産を売却した財産を相続人などで分配するときに多いです。
一般的に不動産などの財産は相続人で共有して持つか、遺産分割協議をして相続人で共有するか、相続人一人に所有権を移転しますが、場所的に相続した不動産に居住する意思がない場合には、不動産を第三者に売却をして、その財産を相続人で分配したほうが良い場合があります。
そういった場合に清算型の遺産分割協議が行われることがあります。
不動産を換金して分配する手続き
清算型の遺言書を残す場合には、住所ではなく、法務局で取得した登記簿謄本を取得して、その登記簿謄本に記載してある通りに記載して物件を特定します。
そして、その不動産を換金して不動産を処分して、分配する旨を記載していきます。
その後、遺言執行者がいる場合には遺言執行者が手続きを行います。
不動産を法定相続分で相続登記をして、買主が決まったら、遺言執行者と買主で売買契約と所有権移転を行います。
そして、売却代金を遺言書に記載されている通りに分配をします。
遺言執行者が定めている場合には、手続きは遺言執行者が行いますが、そうでない場合には、相続人全員で行う必要がありますので、注意してください。
清算型の遺産分割協議書を作成する場合
遺産分割で不動産などの財産を売却して、相続人に分配する場合には、その旨を遺産分割協議書に記載して、遺言書の時と同様に、財産が不動産の場合には、相続登記を行う必要があります。
内容としては、概ね遺言書の時と同じですが、遺言書の場合には生前に、被相続人が残した遺言書で手続きを行いますが、遺産分割協議で行う場合には、相続人が話し合う必要がありますので、相続人の同意が必要です。
まとめ
清算型の遺言や遺産分割協議は、相続人にマイホームがあり、相続した財産を使用しない場合に利用されることがよくあります。
手続きとしては、一度相続登記をして、その後その財産を分配する旨を遺産分割協議書に記載をします。
遺言書の場合であれば、遺言執行者を定めておけば、遺言執行者に手続をしてもらうことになりますが、そうでない場合には、相続人全員で行うことになり、話がまとまらない可能性もあります。
自宅を公平に分配したい意思がある場合には、生前に手を打つことをお勧めいたします。
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記事の内容は一般的な内容となっており、個別具体的な案件によっては結論が異なることもございます。
そのため、ご自身でお手続きをする際は、自己責任でお願い致します。