退去強制とは?外国人の違法滞在で知っておくべき手続きと対策

在留資格ビザ(VISA)

日本において外国人が適法に滞在し、安心して生活するためには、在留資格の取得や更新変更が不可欠です。しかし、もしも在留資格が失効したり、不法に滞在したりする事態が発生した場合、退去強制という厳しい手続きを避けられなくなります。本記事では、退去強制とは何か、どのような場合に適用されるのか、そしてその手続きや影響について詳しく解説します。また、退去強制を回避するための方法や行政書士のサポートについても触れ、外国人や企業が安心して日本での生活やビジネスを続けるための情報を提供します。適法な在留を確保し、トラブルを未然に防ぐために、ぜひ最後までお読みください。
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退去強制とは何か

退去強制とは、日本に不法に滞在する外国人や、在留許可の範囲を超えて滞在する外国人を、法律に基づいて国外へ退去させる手続きのことをいいます。この手続きは、日本の国家が好ましくないと認める外国人を、行政手続によって強制的に日本国外に退去させるものです。日本の出入国管理及び難民認定法(以下、入管法)に基づき、退去強制は厳格に運用されています。

日本の法体系では、入管法が外国人の入国および在留に関する基本的なルールを定めています。この法律に違反する行為を行った外国人は、一定の手続きを経て退去強制の対象となります。

退去強制の対象となるケース

退去強制の対象となるケースは、多岐にわたります。以下は、典型的な退去強制事由の一部です。

不法入国者、不法上陸者、不法残留者

入管法に違反し、違法な状態で在留している外国人が該当します。これには、正規の手続きを経ずに日本に入国した者や、在留期間を超えて滞在している者が含まれます。

資格外活動の許可を得ずに就労した者

在留資格に基づく活動内容を超えて働いている外国人が対象です。

刑罰法令違反者

日本国内で犯罪を犯し、有罪判決を受けた外国人が該当します。

人身取引等を行う者

人身取引やそれに関連する活動を行う外国人が含まれます。

売春に直接関係ある業務に従事する者

売春に関与する業務に従事する外国人が対象です。

偽造・変造文章を作成、提供した者

他の外国人が上陸、在留するための申請に際して、偽造または変造された文書を作成、提供した外国人が含まれます。

公衆等脅迫目的の犯罪行為を行うおそれのある者

公共の安全を脅かす犯罪行為を行う可能性があると認められる外国人が対象です。

国際約束により入国を防止すべき者

日本が締結している国際条約に基づき、入国を防止すべき外国人が含まれます。

日本国の利益または公安を害する行為を行うおそれがある者

日本の利益や公共の安全に対して脅威となる可能性がある外国人が対象です。
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違法滞在とそのリスク

違法滞在とそのリスクは以下の通りです。

違法滞在の種類と典型的な例

違法滞在は、大きく分けて以下の種類に分類されます。

不法入国者

正規の手続きを経ずに日本に入国した者。

不法上陸者

正式な上陸許可を得ずに日本に上陸した者。

不法残留者

在留期間を超えて滞在している者。

例えば、観光ビザで入国した外国人がビザの有効期限を超えて滞在し続ける場合や、労働ビザを持たない外国人が就労する場合が典型的な違法滞在の例です。

違法滞在が発覚した場合のペナルティ

違法滞在が発覚した場合のペナルティは以下の通りです。

退去強制

違法滞在が確認された場合、退去強制手続きが開始されます。

入国禁止措置

退去強制された外国人は、一定期間(通常は5年から10年)日本に再入国することが禁止されます。

罰金や懲役

違法滞在の内容によっては、罰金や懲役が科されることがあります。

退去強制の手続き

退去強制の手続きについては以下の通りです。

退去強制の通知とその内容

退去強制手続きが開始されると、まず最初に違法滞在が発覚した外国人に対して退去強制の通知が行われます。この通知には、違法行為の詳細と、退去強制の理由が記載されています。また、通知には異議申し立ての方法や期限についての情報も含まれています。

退去強制の流れと期限

退去強制の流れは以下の通りです。

違反調査

入管当局が外国人の違法行為を調査します。

審査

違反が確認されると、入管当局が退去強制の審査を行います。

口頭審理

外国人に対して口頭審理が行われ、自己弁護の機会が与えられます。

退去強制の判断

審査と口頭審理の結果を踏まえ、退去強制の最終判断が下されます。

異議申し立て

退去強制の通知を受けた外国人は、異議申し立てを行うことができます。この異議申し立ては、法務大臣に対して行われます。

裁決

法務大臣が異議申し立てに対する裁決を行います。

退去強制手続きは行政処分であり、刑罰ではありません。そのため、法務大臣は、異議申し立てに対する裁決において、退去強制事由に該当する場合でも、外国人の日本での生活歴や家族状況などを考慮し、特に在留を許可すべき事情があると認める場合には、特別に在留を許可することができます。
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退去強制を回避する方法

退去強制を回避する方法は以下の通りです。

法的サポートと相談の重要性

退去強制を回避するためには、法的なサポートが重要です。行政書士に相談することで、適切な対応策を講じることができます。彼らは、入管法に関する専門知識を持っており、違法滞在の問題を解決するための具体的なアドバイスを提供してくれます。

行政書士による在留資格の取得、変更、更新のサポート

行政書士は、在留資格の取得、変更、更新に関する手続きをサポートしてくれます。以下は、行政書士が提供する主なサポート内容です。

在留資格の取得

適切な在留資格を取得するための手続きを代行します。

在留資格の変更

現在の在留資格から別の在留資格への変更手続きをサポートします。

在留資格の更新

在留期間の更新手続きを行います。

行政書士のサポートを受けることで、適法な在留が確保され、退去強制のリスクを軽減することができます。

退去強制後の影響と再入国

退去強制後の影響と再入国は以下の通りです。

退去強制後の生活への影響

退去強制は、外国人の生活に大きな影響を与えます。退去強制された外国人は、以下のような影響を受ける可能性があります。

  • 日本での生活や仕事を失うことになります。
  • 日本に家族がいる場合、家族との分離が生じる可能性があります。
  • 一定期間日本に再入国することが禁止されます。

再入国の条件と手続き

退去強制された外国人が再入国を希望する場合、以下の条件と手続きを満たす必要があります。

再入国禁止期間の終了

再入国禁止期間(通常は5年から10年)が終了していること。

特別許可の取得

再入国にあたって、特別許可を取得する必要があります。この特別許可は、法務大臣に申請し、審査を受ける必要があります。

再入国手続きには、詳細な書類提出や面接が求められるため、行政書士のサポートを受けることが推奨されます。
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まとめ

退去強制は、日本に不法に滞在する外国人や在留許可の範囲を超えて滞在する外国人に対して行われる厳格な手続きです。退去強制の対象となるケースや手続きの流れ、ペナルティについて理解することは重要です。また、適切な法的サポートを受けることで、退去強制を回避する可能性が高まります。

この記事では、退去強制の定義から手続きの流れ、退去強制後の影響と再入国の条件について詳しく解説しました。違法滞在のリスクを理解し、適切な法的サポートを受けることで、退去強制を回避し、安心して日本での生活を続けることができます。

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行政書士青嶋雄太
この記事を書いた人
行政書士 青嶋雄太

私は約10年間にわたり法律関連の仕事に従事してきました。司法書士事務所と行政書士事務所での経験を通じて、多くの案件に携わり、幅広い視点から問題を解決してきました。
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