外国人が与えられた在留期間を過ぎて、在留している場合は不法残留者となり、退去強制となります。
退去強制に関しては、以前別の記事で解説しているため、そちらをご覧ください。
不法残留者が自発的に帰国する意思を持って、自分から、出入国在留管理局に出頭した場合には、一定の要件を満たしていれば、身柄を収容されずに、日本から出国することになる出国命令制度という制度があります。
今回の記事では、不法滞在と出国命令制度について解説していきたいと思います。
退去強制とは外国人が不法に滞在した場合どうなる
退去強制事由にあたる不法滞在とは

不法滞在にはいくつか種類があります。
1.不法入国者…有効な旅券を所持せず、あるいは偽装旅券で日本に入った者
2.不法上陸者…入国審査官の上陸許可等を受けずに上陸した者
3.不法残留者…在留期間、上陸期間等を超えて残留するもの
上記の者は不法滞在者として、退去強制事由に該当し、出入国在留管理局の行政手続きによって、身柄が拘束され、日本国外へ強制退去させられることがあります。
出国命令制度とは
従来、退去強制事由に該当する外国人は、全て退去強制手続きをとる事とされていましたが、不法残留者が自発的に帰国する意思を持って、自分から出入国残留管理局に出頭した場合には、一定の要件を満たしていれば、身柄を収容されずに日本から出国することになる出国命令制度という制度ができました。
手続きの流れとしては、不法残留者が自分から出入国在留管理局に出頭して、入国審査官が違反の調査を行い手続きが進められます。(不法入国者、不法上陸者は対象ではありません)
出国命令制度は、下記の要件を全て満たしている不法残留者が対象となります。
1.速やかに出国する意思を持って自ら入国管理官署に出頭したこと
2.不法在留以外の退去強制事由に該当しないこと
3.入国後に窃盗罪等の所定の罪により懲役または禁錮に処せられていないこと
4.これまで強制送還されたり、出国命令により出国したことがないこと
5.速やかに出国することが確実と見込まれること
広告退去強制、出国命令制度によるペナルティ

退去強制や出国命令制度で、日本から出国した外国人はペナルティとして、一定期間日本への上陸が禁止されます。
1.過去に退去強制歴等のあるもの…10年
2.当局の摘発等により退去強制されたもの(過去に退去強制等のない場合)…5年
3.出国命令により出国した者…1年
広告まとめ
基本的に日本に不法滞在すると、退去強制に該当して、国外に強制的に退去させられてしまいますが、不法残留者のみ出国命令制度を使えば、日本から退去はしなくてはなりませんが、改めて日本に上陸したい場合にペナルティが1年で済むため、比較的軽い処分で済みますが、一定期間は日本に入国はできないため、在留期間には十分注意してください。
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記事の内容は一般的な内容となっており、個別具体的な案件によっては結論が異なることもございます。
そのため、ご自身でお手続きをする際は、自己責任でお願い致します。