NPO法人と一般社団法人あなたに合うのはどっち?設立前に知っておきたいポイント

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社会的な使命を持ち、公益を追求する組織を立ち上げたいと考えており、NPO法人と一般社団法人のどちらを選ぶべきか、迷っていませんか?この記事では、それぞれの組織形態が持つ独自の特徴から、設立の手続き、運営の仕組み、さらには税制上の違いに至るまで、詳細を解説します。

NPO法人と一般社団法人の選択の重要性

NPO法人と一般社団法人の選択は、その法人の目的活動内容、設立にかかる時間と費用、そして運営に関する要件などによって異なります。以下にそれぞれの特徴と違いをまとめてみました。

項目一般社団法人NPO法人
設立に必要な人数最低2名最低10名
設立にかかる期間約2~3週間約5~6ヶ月
設立に必要な財産の額0円でも設立可能0円でも設立可能
活動内容の制限特に制限なし特定非営利活動の20分野に該当すること
所轄庁への報告義務なしあり
情報公開の義務なしあり
税法上の優遇非営利型の場合に限り可能税法上の収益事業のみ課税
社会的信用

NPO法人とは

NPO法人は、特定非営利活動を行う団体に法人格を付与することで、市民の社会貢献活動としての特定非営利活動の発展を促進することを目的とする制度です。

NPO法人の定義と特徴

NPO法人は、非営利活動を行いながら社会的な利益を追求する組織のことをいいます。特定非営利活動とは、20種類の分野に該当する活動であり、不特定かつ多数のものの利益に寄与することを目的とするものです。また、NPO法人は、特定非営利活動に必要な資金や運営費に充てるために、特定非営利活動に支障がない限り、特定非営利活動に係る事業以外の事業 (その他の事業)を行うことができます。

NPO法人の設立条件と手続き

NPO法人の設立には、以下の基本ステップが必要です。

  • 社員(正会員)を10名以上集める
  • 役員(理事監事)の目処をつけておく
  • 設立代表者を決定する
  • 法人名を決定する
  • 法人設立の目的をまとめておく
  • 事業内容・活動内容が法律の基準を満たしているか検討する
  • 事業内容・活動内容を決定する
  • 主たる事務所(従たる事務所)の場所を決定する

NPO法人の運営と管理

NPO法人の運営には理事や役員が関わります。理事は組織の中で最高意思決定機関として活動し、NPO法人の方向性や戦略を決定します。また、NPO法人は、毎事業年度終了後(毎事業年度始めの3ヶ月以内)、「事業報告書」「貸借対照表」「役員名簿」などの書類を作成し、定款などとともに、利害関係人が閲覧できるように法人のすべての事務所に備え置かなければなりません。
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一般社団法人とは

一般社団法人は、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づいて設立された社団法人のことをいいます。一般社団法人は、設立の登記をすることによって成立する法人です。

一般社団法人の定義と特徴

一般社団法人は、非営利の法人で、収益事業のみが課税となる特徴を持つ社団法人です。一般社団法人の特徴は以下の通りです。

非営利の法人

一般社団法人は、非営利の法人です。これは、構成員に剰余金を分配しないという意味で、利益を上げてはいけないという意味ではありません。

税制上の優遇

一般社団法人は、設立の仕方によって、収益事業のみが課税となる「非営利型」としての設立が可能です。

事業内容に制限が無い

一般社団法人は、特に目的や事業内容について法律上の制限がありません。

設立期間が比較的短い

一般社団法人は、株式会社等と同様に、公証役場の定款認証と法務局の登記だけで設立可能です。

設立時に財産の拠出は不要

一般社団法人には、会社のように「資本金」という概念はありません。

設立に際して、最低2名で足りる

一般社団法人設立には最低、設立時の社員2名が必要です。

基金による資金調達が可能

「基金」とは、一般社団法人だけに認められた独自の資金調達方法です。

監督官庁が無い

一般社団法人には、監督官庁が存在しないため、活動は一切自由です。

一般社団法人の設立条件と手続き

一般社団法人を設立するには、設立時社員を2人以上確保した上で定款を作成し、公証人の認証を受ける必要があります. 設置機関は社員総会のほか、業務執行機関として理事を最低1名置かなくてはなりません. 一般社団法人を設立する際の手続の流れは、次のとおりです。

  • 定款を作成し、公証人の認証を受ける。
  • 設立時理事(設立時監事や設立時会計監査人を置く場合は,これらの者も)の選任を行う。
  • 設立時理事(設立時監事が置かれている場合は、その者も)が、設立手続の調査を行う。
  • 法人を代表すべき者(設立時理事又は設立時代表理事)が、法定の期限内に、主たる事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局に設立の登記の申請を行う。

一般社団法人の運営と管理

一般社団法人の運営は、社員総会、理事会、会計監査人などの機関が行います。会計監査人の設置は任意ですが、資産200億円以上の大規模一般社団法人では義務付けられているなどのルールが存在します。一般社団法人は、非営利型法人(法人税法上の非営利型法人の要件を満たすもの)と、非営利型法人以外の法人の2種類に分けられています。 一般社団法人、一般財団法人の運営では、公益事業、共益事業はもちろん、収益事業のみを行うことも許されています。
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NPO法人と一般社団法人の違い

NPO法人と一般社団法人の違いについて説明します。

設立条件と手続きの違い

一般社団法人の設立には、最低2名の「社員」が必要で、役員である「理事」は最低1名必要です。設立には定款や設立に必要な書類を作成し、公証役場で定款認証手続きを経て、法務局へ登記申請を行うといった3段階で成立します。設立にかかる期間は約1~4週間です。

一方、NPO法人の設立には、最低10名の「社員」が必要で、役員である「理事」は最低3名、「監事」は最低1名必要です。設立には定款など法律に定められた書類を所轄庁に提出し、設立するための所轄庁の「認証」を受けることが必要です。設立にかかる期間は約2~4ヶ月です。

運営と管理の違い

一般社団法人では、設立後は社員が1名になっても継続することはできますが、死亡する等、社員が誰もいなくなった場合は一般社団法人は解散します。また、一般社団法人には所轄庁がありませんので、行政への報告義務はなく、事業活動についての情報を公開する必要もありません。
NPO法人では、設立後も社員10名を常に維持しなければなりません。社員が10人未満になってしまうと、所轄庁から改善命令を受ける可能性があります。また、NPO法人は所轄庁がありますので、決算後には毎年所轄庁へ事業報告書等の所定の書類を提出する義務や情報公開義務があります。

税制上の違い

一般社団法人は原則すべての所得に対して税金がかかります。しかし、『非営利型』の一般社団法人になると一部優遇が受けられ、収益事業のみ課税対象となります。よって、寄付金や会費等の収入については非課税になります。

NPO法人については、税制上の優遇があります。設立登記時の登録免許税(収入印紙代)や、役員変更・住所変更・事業目的変更等の変更登記時の登録免許税(収入印紙代)は免除されています。
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どちらの法人を選ぶべきか

それぞれの法人形態には、特有のメリットとデメリットがあります。以下にそれぞれの特徴をまとめてみました。

NPO法人一般社団法人
メリット社会的信用が高い、代表者の交代が円滑、資本金0円で設立可能、持続性のある組織の運営が可能、税制面での優遇活動内容が制限されない、設立に必要な人数が少なくて済む(最低2人)、設立にかかる時間が短い、活動内容を外部に開示する必要がない
デメリット設立に時間がかかる、厳格な事務処理と手続きが必要、活動内容に制限がある、設立や解散に手間がかかる、情報開示の要求が多い設立に費用がかかる(定款認証、登録免許税)

選択のポイント

特定非営利活動に入るもののみであれば、NPO法人を設立した方がいいでしょう。NPO法人の方が、公益性が高く、開かれた組織で運営されます。一般社団法人は、活動内容の制限を嫌う、または将来活動範囲が広がる可能性がある場合に検討することになります。また、特定の専門団体や同業者の集まりだけで運営したり、会員制度を設けて活動したい場合に適しています。
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まとめ

このブログ記事は、NPO法人と一般社団法人の選択について詳しく解説しています。まず、NPO法人と一般社団法人の選択の重要性について触れ、その後、それぞれの法人形態について定義、特徴、設立条件、手続き、運営と管理について説明しました。
NPO法人は設立に時間と手間がかかりますが、社会的信用が高く、補助金や支援プログラムが多数あります。しかし、活動内容は法律で定められた特定非営利活動に制限されています。
したがって、行う事業が特定非営利活動に該当し、社会貢献事業として市民に受け入れられるメリットを重視するなら、NPO法人を選択すると良いでしょう。一方、活動内容の制限を嫌い、自由度を重視するなら、一般社団法人を選択すると良いでしょう。最終的な選択は、その法人の目的や活動内容、設立にかかる時間と費用、運営に関する要件などを総合的に考慮することが重要です。具体的な事例や詳細な情報については、当事務所にご相談いただければ幸いです。

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プロフィール
この記事を書いた人
NPO法人設立運営サポートセンター

私は約10年間にわたり法律関連の仕事に従事してきました。司法書士事務所と行政書士事務所での経験を通じて、多くの案件に携わり、幅広い視点から問題を解決してきました。
私たちの事務所では、行政書士としての専門知識だけでなく、提携先の士業事務所と連携し、対応できない案件にも柔軟に対応しています。どんな問題でも、お気軽にご相談いただければ幸いです。

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