NPO法人を設立するには定款は必ず必要です作成の流れや絶対的記載事項など作成のポイントを解説します

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NPO法人を設立するときに定款の作成はとても重要となります。
定款は株式会社でも重要ですが、NPO法人の場合は定款の規定が株式会社以上に重要です。
株式会社は会社法があり、細かくルールが記載されていますが、NPO法人の場合は定款の内容が重視されていて、定款自治がとても重要となります。
今回の記事からNPO法人の定款の作成方法と重要性について解説していきたいと思います。

NPO法人の定款の重要性

NPO法人を設立する際に、各所轄庁の手引書などで記載されている記載例を参考にして定款を作成します。
各都道府県の条例などで、書式が定められているときは、規定どうりの書式で作成する必要があります。
NPO法人の定款は設立後の手続きでとても重要で法律で別の規定がある場合を除き、基本的に定款の記載通りに手続きを行う必要があります。
そのため、役員活動目的、運営方法について細かく記載してどういった組織にするのか考えて作成しなくてはなりません。

定款とは

定款とは法人の目的・活動・事業・組織・運営について基本的なルールを書面化したもので、会社の重要書類です。
定款は、法人の目的・活動・事業を定めていることから、法人の活動は、定款に記載している目的の範囲において権利を有し、義務を負います。
株式会社などの営利法人も定款の目的の範囲外の事を行うことができません。
定款は、認証申請をする際にも、重要な資料となり、どのような活動をするのかチェックされます。
NPO法人では、株式会社などの営利法人と異なり、認証申請で提出した定款など一定の書類は、一般に公開されることになりますので、不特定多数の第三者がどんな法人か確認をすることができます。
そのため、NPO法人では、定款が他の法人よりも重要なのです。
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定款に記載する事項

定款には必ず記載しなくてはならない絶対的記載事項、記載しなくてはならない事項や定款に記載することによって法が定める要件を変更することができる事項である相対的記載事項、団体の運営にとって必要な規定を法令に違反しない限り、自由に書き込むことができる任意的記載事項があります。

絶対的記載事項

定款には必ず記載しなくてはならない事項は次の通りです。

1.目的
主要な事業、活動で利益を受ける人、活動の最終目的を記載して、特定非営利活動を行う法人であることを明確にします

2.名称
NPO法人の名前を記載してください(法律で制限されている文言は使用できません)

3.特定非営利活動の種類及び特定非営利活動に係る事業の種類
活動の種類について詳細に記載します。将来的に活動する予定があれば記載しておけますが、事業報告で活動内容を報告するので、ある程度、将来的に行うことが決まっている事を記載してください。

4.主たる事務所及びその他の事務所の所在地
主たる事務所とその他の事務所を記載します。株式会社では、最小行政区画まで記載しますがNPO法人では、住所をすべて記載することも多いです。

5.社員の資格の得喪に関する事項
社員の資格の名称は法人で決めた名称で大丈夫ですが、正会員は、入会に制限を付けられませんので注意してください。

6.役員に関する事項
理事、監事の選任方法、任期、報酬について記載します。

7.会議に関する事項
社員総会を実施する場合について記載します。通常総会は最低でも年1回以上開催すると記載してください。

8.資産に関する事項
資産の構成などを決めてください。

9.会計に関する事項
会計の原則と区分などを決めます

10.事業年度
事業年度を記載します。事業年度が終わると事業報告書を所轄庁に提出するため、設立する時から、縦覧期間、審査機関を逆算して、事業年度を決めたほうが良いかと思います。

11.「その他の事業」を行う場合には、その種類及び当該「その他の事業」に関する事項
特定非営利活動以外の事業を行うときは記載してください。

12.解散に関する事項
解散するときの、残余財産の扱いについて記載してください。社員で分配することはできません。

13.定款の変更に関する事項
所轄庁の認証を必要とする定款の変更についてを記載してください。NPO法人では定款を変更すると所轄庁の認証が必要になるものもあり、登記事項に変更があれば登記も変更しなくてはなりません。

14.公告の方法
公告とは、官報などに記載して、不特定多数の人間が見れるようにするものです。

15.設立当初の役員

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相対的記載事項

定款に記載することによって法が定める要件を変更することができる事項です。

1.理事の職務
理事は、一人ひとりが法人を代表できますが、定款で定めることでその代表権を制限できます。

2.臨時総会開催の請求に必要な社員数
法律では、社員総数の1/5以上とされていますが、定款で定めることで増減できます。

3.定款の変更に関する社員総会の議決
法律では、社員総数の1/2以上の出席と、その出席者の3/4の多数をもって議決しますが、定款で定めることで増減できます。

4.解散の決議に関する社員総会の議決
法律では、社員総数の3/4以上とされていますが、定款で定めることで増減できます。

5.合併の決議に関する社員総会の議決
法律では、社員総数の3/4以上とされていますが、定款で定めることで増減できます。

6.総会における議決事項
事前に通知されるものとされていますが、定款で定めることで例外規定をおくことができます。

7.総会に関しての書面表決権及び代理人出席
法では、書面又は代理人出席による表決が認められているほか、定款で定めることにより、電子メールなどの電磁的方法で表決することもできます。

8.解散の事由
社員総会の決議、特定非営利活動に係る事業の成功の不能、社員の欠亡、合併、破産手続開始の決定、所轄庁による認証の取消し以外にも定款で定めることで、解散の事由を規定することができます。

9.残余財産の帰属先
定款に、特定非営利活動法人、公益社団法人などを帰属先として定めることができます。定款に定めのない場合は、所轄庁の認証を得て、国又は地方公共団体に譲渡できます。それでも処分されない財産は国庫に帰属します。

任意的記載事項

定款は、私的な自治のた定款は、私的な自治のための文章でもありますから、団体の運営にとって必要な規定を法令に違反しない限り、自由に書き込むことができます。
自由に書き込めるといっても、以下のような定款は不認証になる場合がありますので注意が必要です。

1. 定款の変更を禁止する定め…時代の進展につれて自主的活動を続けようとする特定非営利活動法人の特質から考えて、無効な規定と考えられます。

2. 退会を認めない旨の定め…法第2条第2項第1号イ(社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと)に抵触した場合不認証となります。(16ページ参照)

3.全権限を理事に与える定め…最高の意思決定機関である「社員総会」の権限を侵すものであれば認められません。

4. 残余財産を社員に分配する定め…非営利団体という性質上認められません。

定款はいつまでに作成しなくてはならないのか

設立についての意思決定を行います。設立総会は必ず開かなければなりません。
設立総会を開くまでには作成する必要があり、設立総会で役員の選任、定款、事業計画、予算などの重要事項について議決します。

定款変更について

定款を設立認証後に変更することも可能ですが、所轄庁での手続きや法務局での手続きが必要です。

(定款の変更)
第二十五条 定款の変更は、定款で定めるところにより、社員総会の議決を経なければならない。
2 前項の議決は、社員総数の二分の一以上が出席し、その出席者の四分の三以上の多数をもってしなければならない。ただし、定款に特別の定めがあるときは、この限りでない。
3 定款の変更(第十一条第一項第一号から第三号まで、第四号(所轄庁の変更を伴うものに限る。)、第五号、第六号(役員の定数に係るものを除く。)、第七号、第十一号、第十二号(残余財産の帰属すべき者に係るものに限る。)又は第十三号に掲げる事項に係る変更を含むものに限る。)は、所轄庁の認証を受けなければ、その効力を生じない。
4 特定非営利活動法人は、前項の認証を受けようとするときは、都道府県又は指定都市の条例で定めるところにより、当該定款の変更を議決した社員総会の議事録の謄本及び変更後の定款を添付した申請書を、所轄庁に提出しなければならない。この場合において、当該定款の変更が第十一条第一項第三号又は第十一号に掲げる事項に係る変更を含むものであるときは、当該定款の変更の日の属する事業年度及び翌事業年度の事業計画書及び活動予算書を併せて添付しなければならない。
5 第十条第二項から第四項まで及び第十二条の規定は、第三項の認証について準用する。
6 特定非営利活動法人は、定款の変更(第三項の規定により所轄庁の認証を受けなければならない事項に係るものを除く。)をしたときは、都道府県又は指定都市の条例で定めるところにより、遅滞なく、当該定款の変更を議決した社員総会の議事録の謄本及び変更後の定款を添えて、その旨を所轄庁に届け出なければならない。
7 特定非営利活動法人は、定款の変更に係る登記をしたときは、遅滞なく、当該登記をしたことを証する登記事項証明書を所轄庁に提出しなければならない。

特定非営利活動促進法 | e-Gov法令検索より引用

定款の作成方法について

一般的に書類を作成する際には、行政書士などの専門家に相談して、どういった目的・活動・事業・組織・運営をするのかを決めた方が、自分でやるよりも早く法人を設立することができますが、ご自身で手続きをする際には、各所轄庁で配布されている手引書をよく読み、NPO法人の目的事業会員役員総会理事会などの項目を自分たちの法人に合わせて作成してください。

まとめ

NPO法人を設立する際に、定款はとても大切な書類です。
株式会社などの営利法人と違い、NPO法人で提出した書類は一般に公開されるため、他の法人より、定款を作りこむ必要があります。
当事務所では、NPO法人の認証手続きを代行しております。
ご依頼をご検討の方は、下記のお問い合わせフォームからご相談ください。

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プロフィール
この記事を書いた人
NPO法人設立運営サポートセンター

私は約10年間にわたり法律関連の仕事に従事してきました。司法書士事務所と行政書士事務所での経験を通じて、多くの案件に携わり、幅広い視点から問題を解決してきました。
私たちの事務所では、行政書士としての専門知識だけでなく、提携先の士業事務所と連携し、対応できない案件にも柔軟に対応しています。どんな問題でも、お気軽にご相談いただければ幸いです。

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