実家の相続手続きが終わらずに、物件の管理をしないで空き家になり老朽化して、瓦などが落ちて通行人などに落ちてケガをさせた場合は誰が責任を負うのでしょうか。
基本的には空き家の所有者は物件に対する責任を負うことになります。
今回の記事では、空き家の所有者と管理者の責任について解説していきたいと思います。
空き家の所有者は誰になるのか

空家特措法上の所有者等とは、空家等の所有者又は管理者の事をいいます。
相続を放置した場合には、その相続人が所有者となります。
管理者とは、賃借人や相続財産管理人、成年後見人などの事をいいます。
相続登記が終わって権利が確定している場合や、相続の問題がない場合には、登記記録に記載されている所有者、登記記録がない未登記物件の場合には、課税台帳に記載されているものと考えられています。
相続登記が完了しておらず、遺産分割協議などで権利が確定していない場合には、相続人全員が所有者として空家特措法上の手続きを受けると考えられており、相続手続きを放置して相続人が増えれば、増えるほど相続手続きなど権利関係が複雑になります。
空き家の管理者は誰になるのか
相続手続きが完了しないで放置している場合は基本的に空き家の管理者は相続人になります。
空家特措法上の管理者とは、賃借人、使用借人、相続財産管理人、破産管財人、成年後見人などがあげられます。
上記の管理者は、今後、適宜見直される場合があるとされていますので、状況によって、範囲が広くなることもあります。
空き家所有者の責任

空き家の所有者等は、周辺の地域社会へ迷惑をかけないよう、空き家を適正に管理するように注意する必要があり、適切な管理がされず、第三者に怪我をさせた場合には、損害賠償義務を負う可能性があり、空家を放置していると、様々な不利益があります。
経済的な事情から、空き家の管理責任を果たさない場合には、市区町村が地域の実情によって、措置を実施することが重要とされています。
行政指導をしても従わない場合は、行政が代執行をして、所有者にその費用を請求する可能性もありますので注意をしてください。
まとめ
相続が発生すると、複数の相続人間で話し合いを行い協議をしますが、それが何らかの理由でできない場合には、相続財産の帰属先が確定せず、そのまま放置されてしまうことになります。
そして、相続人が亡くなると新たな相続が発生して、相続人がさらに多くなり、協議が困難になったり、相続人の中に認知症の方などがでてきて、遺産分割協議がさらに難航することが予想されます。
そのため、相続が発生したら専門家に相談をして、なるべく早く相続手続きを完了させる必要があります。
※相続手続きでご不明点がございましたら、是非当事務所に下記の問い合わせフォームからご相談ください
内容には、万全を尽くしておりますが、法改正等で内容が異なる場合がございます。ご自身でお手続きをする際は、自己責任でお願い致します。