遺言には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。
自筆証書遺言であれば、自宅に保管してあるか、法務局で保管してもらっている可能性がありますが、公正証書遺言はどこに保管されているのでしょうか。
今回の記事では、公正証書遺言の探し方について解説していきたいと思います。
公正証書遺言にミスがあった場合はどうするのか
遺言書が複数の遺言書がある場合の探し方
遺言書を作成した後に、気が変わり遺言書を書き直したいと思うこともあるかと思います。
そういった場合は、どうすればよいのでしょうか。
民法1023条1項で「前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものともなす」と規定されており、遺言書が複数出てきた場合は、一番最後の遺言に抵触するその前の遺言のその抵触する部分は撤回されたとみなされてしまいます。
例えば、最初の遺言で長男○○に所有する不動産一切を相続させると記載があったとして、最後の遺言で長女○○に所有する不動産一切を相続させると記載があった場合には、前の長男に不動産を相続させるとされたものが撤回されたものとみなされ、長女が不動産を相続することになります。
先に書いた遺言の内容について一番最後の遺言に記載がない場合
先に書いた遺言の内容について一番最後の遺言が触れていない事項について遺言したものであれば、それは前の遺言と一番最後の遺言が抵触していない為、一番最後の遺言だけが有効とはなりません。
そのため複数の遺言書を確認した場合は、作成年月日順に並べて内容を確認する必要があります。
遺言書はどうやって確認するか
最近は、法務局で遺言書を保管する制度ができましたが、自筆証書などで、保管方法が良くない場合は、他にも遺言がある可能性があります。
自筆証書遺言は見つからない可能性もありますし、見つかった後には家庭裁判所で検認をする必要があります。
自筆証書を作成する際には遺言書を保管してくれる制度を活用すれば紛失のリスクや家庭裁判所の検認が不要となります。
公正証書遺言を作成している場合には、全国どこの公証役場でも、検索することが可能となっていて、検索してどこの公証役場で公正証書遺言を作成したかわかれば、その公証役場に行って、公正証書遺言の謄本請求をすることができます。
公証役場での遺言の検索の手続き
公正証書遺言の検索をするときは、遺言者が亡くなったことがわかる除籍謄本と、依頼者が遺言者の相続であることを示す戸籍謄本、依頼者の本人確認ができる身分証明書や実印を用意する必要があります。
ご自身でお手続きをした際には、公証役場に事前に連絡をして必要書類を確認してください。
まとめ
自筆証書遺言は保管した場所が本人しかわからないため、遺言書が見つからないまま相続が開始してしまうことがあります。
そのため、以前は公正証書遺言を作成すれば、公正証書遺言を作成した事実を相続人に伝えていれば、検索でき遺言書を紛失したり、偽造されることはありませんでした。
現在は、法務局で遺言書を保管する制度があり、自筆証書遺言でも保管されている遺言書に関しては、検認が不要だったり、改ざんを防ぐことができるため、自筆証書遺言も作成される方も増えていくのではないでしょうか。
身近な方が亡くなった場合は、遺産分割協議をする前に、自宅などで遺言書を探して遺言を確認するようにしてください。
※手続きでご不明点がございましたら、是非当事務所に下記の問い合わせフォームからご相談ください
記事の内容は一般的な内容となっており、個別具体的な案件によっては結論が異なることもございます。
そのため、ご自身でお手続きをする際は、自己責任でお願い致します。