自筆証書遺言を作成すると遺言書の管理は、遺言者が行わなくてはなりません。
自筆証書遺言の主なデメリットとして、遺言を紛失する可能性と家庭裁判所の検認の手続きが必要となることだと思います。
法務局に遺言書を保管してもらう制度を活用することにより、上記のデメリットを無くすことができます。
当事務所では、遺言書を保管する制度に関して解説してまいりましたが、今回は遺言書を保管する方法と保管した後の証明書となる保管証について解説していきたいと思います。
遺言の保管申請とは自筆証書遺言の保管制度
遺言書が保管されていることを知るにはどうすれば良いのか
遺言書保管所で、遺言書を保管している場合には、保管証が交付され遺言者(遺言を書いた人)の氏名や保管番号が記載されており、その書類で遺言書が法務局で保管されていることがわかります。
保管証は、法務局に出向いて申請手続きが終了した後に交付を受けることができます。
遺言者が送付費用を負担して請求すれば、保管証を郵便で受け取ることも可能です。
保管証は保管が開始してから3か月を経過しても遺言者が保管証を受領しない場合には、遺言書保管官は保管証の交付をする必要がなくなります。
その場合には、遺言書保管官は保管証を破棄することができ、破棄したことに関して異議を申し立てることはできなくなります。
遺言者側で同居の親族などに遺言書を保管していることを隠したいときは、保管証を受け取らないという選択肢もあります。
保管証では、遺言書が保管されている遺言書保管所の名称と保管番号が記載されています。
保管番号は、再度の遺言書保管申請や遺言書の閲覧新生党の際に使用しますので、保管証はきちんと保存しておきましょう。
誰にも遺言書を預けていることを伝えず保管証も見つからないと、法務局で遺言書を預かってもらっている意味がなくなってしまいます。
遺言書の保管方法
法務局での遺言書の保管制度は、紙ベースの遺言書だけではなく、きちんと一定の情報がデータとして管理されています。
遺言書保管所では、遺言書の画像情報を含む遺言書に係る一定の情報を、磁気ディスク(データ)で保存されています。
データとして、保存されているため、沢山の遺言書をデータとして管理でき、紙の遺言書だけでないため、遺言書が保管されている法務局以外の法務局で、遺言書情報証明書や遺言書保管事実証明書の交付ができるようになります。
まとめ
遺言書を作成しても、相続人が遺言書は法務局で保存されているということを知らないと、結果的に遺言書が発見されない場合と同じになってしまいます。
そのため、遺言者は遺言保管申請をした後に、保管証を必ず受領して、相続人がきちんと遺言書が法務局で保存されている事実などを特定できるようにしておきましょう。
遺言書の保管はデータでも行われているため、遺言書が保管されている法務局以外でも一定の情報を取得できることになります。
遺言書保管制度を活用する時には、保管証を受け取りきちんと管理しておくようにしましょう。
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記事の内容は一般的な内容となっており、個別具体的な案件によっては結論が異なることもございます。
そのため、ご自身でお手続きをする際は、当事務所では責任を負いかねますのでご容赦ください