人が亡くなり、相続が発生した際、遺言がなければ、法定相続分に基づいて遺産の分割が行われます。
上記の場合だと、被相続人(亡くなった方)の意思が全く反映されず、貢献してくれて遺産を渡したい相続人などを全く保護することができませんので、遺言書を作成しておくことをお勧めいたします。
今回の記事では、自筆証書遺言の財産目録の書き方について解説していきたいと思います。
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自筆証書遺言の法改正
自筆証書遺言を作成する際には、遺言者がその全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならないと定められていました。
例えばパソコンや代筆、ビデオなどで遺言書を残しても法律的に効力が認められません。
高齢者にとって、財産を含めて全文を自書するにはかなりの労力を伴い、訂正の仕方も厳格なことから、自筆証書を利用することを妨げる原因の一つとされていました。
そこで、民法の改正で、自筆証書遺言の方式が変更となりました。
財産目録は自書が不要
民法の改正で、自筆証書遺言の財産(遺産)目録は自書しなくても良くなりました。
財産目録とは、不動産の表示、預貯金の表示と考えてください。
不動産の表示は、法務局で取得する不動産の登記簿通り記載しなくてはならず、土地なら所在、地番、地目、地積、建物なら、所在、家屋番号、種類、構造、床面積などです。
住所のみを記載しただけでは、正確に物件を特定できないため、法務局で登記簿謄本を取得して、記載します。(住所のみを記載する方法はダメです)
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なぜ財産目録だけ自筆でなくてよいのか
そもそも、何故、自筆証書遺言は自筆で書かなくてはならないのでしょうか。
それは、自筆で記載することによって確かに遺言者(遺言を書いた人)の意思を確認するためです。
財産の記載は、相続財産を特定する形式的な事項であるため、全文を自書を要求する必要がないと判断されたため自筆で書く必要がなくなりました。
財産目録はどのように作成するか
自筆証書遺言に添付する場合は自筆する必要はないとされましたが、具体的にどのように作成できるのでしょうか、具体的には3つの方法があります。
まず、1つめは、パソコンなどで、相続財産の目録を作成する。2つ目は遺言者が他人に相続財産の目録を作成してもらう3つ目は、不動産の登記簿謄本や、通帳の写しを添付する方法です。
財産目録を上記の方法で作成した場合、偽造や変造されるのを防ぐため、自筆証書と一体であることの証明のため、財産目録に署名し、印を押さなくてはなりません。(自筆でない目録が両面なら両面に署名と押印が必要です)
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まとめ
民法の改正で、今年から遺言書を保管する制度もでき、様々な変更点があります。自筆証書は意思能力の有無や、方式が厳格なところがあり、法律の方式にあわず、無効になってしまうこともあります。
遺言書を作成したい場合は、行政書士などの専門家にご相談して、アドバイスを受けた方が結果的に損することにならないかと思います。
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