マンション、アパートに空き部屋がある場合の対策と管理

空き家手続き

空き家を思い浮かべるときに一軒家を思い浮かべる方がおお今もしれませんが、空き家といってもマンションやアパートなどの一室が長い間空室となり、管理が行き届いていない事があります。
賃貸であれば、貸主が対応するかと思いますが、個人がマンションの一室を所有している場合は、管理人が勝手に手続きをすることができません。
今回の記事では、マンションやアパートなどに空き部屋がある場合の対策と管理について解説していきたいと思います。

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空き家の定義

住宅

マンションの隣の部屋が長い間空室で管理が行き届いていないんだけど、マンションの空室は空き家にはならないの?

基本的に空き家は1棟ごとに判断されるから、他の部屋に入居者がいる場合は、空家特措法上の空き家にはなりません。

マンションやアパートなど共同住宅の場合で、部屋の一室が長い間空室となり管理が行き届いていない場合は、空き家として対応してもらうことは可能なのでしょうか。
アパートやマンションは共同住宅ともいい、一等の建物に2戸以上の住宅があって、広間、廊下若しくは階段などの全部一部を共有するものをいいます。
因みに長屋とは、2以上の住宅を1棟に建て連ねたもので、各住宅が壁を共通にしてそれぞれが外部への出入口を有している建物をいいます。

空家特措法の空家等とは

第二条 この法律において「空家等」とは、建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。
2 この法律において「特定空家等」とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう。

空家等対策の推進に関する特別措置法より引用

空家とは、居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地をいうとされています。
建物は建築基準法上の建築物をいうため、アパートやマンションの一室が空室で常態的に使用されていなくとも空家とはならず、すべての部屋が空室なって初めて空き家とされます。
そのため、マンションやアパートの場合は、一室のみが空室になって管理が行き届いていない場合でも空き家特措法の空家等とはされません。
マンションの場合は、区分所有の場合と賃貸の場合があると思いますが、賃貸物件の場合は、空き家の問題ではないため、管理会社や貸主に相談をして対策をしてもらうことが現実的な対応になります。
長屋の場合は、長屋が壁や柱を共通にしないで、隣接する建物と密着されて建築されている場合は、それぞれ別個の建物とされますが、基本的にはマンションやアパ-トと考え方は同じです。
賃貸の場合は、貸主は民事上の責任を負うため、管理がされていない空室の存在で入居している方に悪影響が生じている場合は貸主側は対応する必要があります。

賃貸ではなく区分所有の場合

マンション

マンションの場合は賃貸ではなく区分所有のケースがあります。
区分所有しているマンションの場合は、マンションの一室が空室でも空家特措法上の空き家とはされませんので、区分所有の場合は区分所有法が適用されます。

区分所有法の空き部屋への対応

区分所有法とは、一等の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがある時は区分所有法が適用されることになります。
マンションなどの一室で、長期に亘って空室になっている際に考えられるのは、一室を購入している方が亡くなり、相続が発生していることが考えられます。
相続手続きの場合は、相続人が手続きをするため、別の部屋に居住している方は直接関係ありませんので対応することはできませんが、管理組合としては、対応することも可能となります。

相続手続きの場合は、相続人を確定して、相続人全員が集まり遺産分割協議をして空き室となっている部屋を相続人の誰が相続するかを決めることになります。
仮に相続人がいない若しくは行方不明の場合は不在者財産管理人の選任手続きが必要になります。

長い間空き室となっていて、管理費が未納の場合は、相続人に対して管理費などの費用を請求することが考えられます。
専有部分の相続手続き中も、共用部分の修繕が必要なことも考えられ、管理組合は軽微な変更となる修繕については、管理組合の集会で、区分所有者及び議決権の各過半数で決定をします。
マンションなどの区分所有の空き部屋への対応は、区分所有法が適用されます。

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まとめ

アパートやマンションの一室のみに空室がある場合は、空家特措法の空家等に該当することはありません。
殆どの部屋が空室になっていて、管理が行き届いていない場合でも1棟ごとに判断をしますので、全ての部屋が空室になっていて、居住その他の使用がされていない場合に空家とされます。
アパートやマンションが賃貸物件の場合は、貸主は空家の存在で入居者に悪影響を及ぼす場合は、対応する必要がありますので、入居者は民事上の責任を追及する必要があります。
区分所有の場合は区分所有法が適用されるため、管理規約などを確認して対応することをお勧めいたします。
区分所有の場合で相続手続きが必要な場合は、戸籍などを収集して遺産分割協議をする必要があるため、その他の相続手続きをご検討されている相続人の方は、行政書士などの専門家に相談することをお勧めいたします。

※相続手続きでご不明点がございましたら、是非当事務所に下記の問い合わせフォームからご相談ください
内容には、万全を尽くしておりますが、法改正等で内容が異なる場合がございます。ご自身でお手続きをする際は、自己責任でお願い致します。

プロフィール
この記事を書いた人
行政書士青嶋雄太

私は約10年間にわたり法律関連の仕事に従事してきました。司法書士事務所と行政書士事務所での経験を通じて、多くの案件に携わり、幅広い視点から問題を解決してきました。
私たちの事務所では、行政書士としての専門知識だけでなく、提携先の士業事務所と連携し、対応できない案件にも柔軟に対応しています。どんな問題でも、お気軽にご相談いただければ幸いです。

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