中小企業は、上場企業と違い購入できる株式市場がありません。
そのため、株主との合意によって自社発行の株式を取得することができます。
株式会社は自社の株式を株主から購入することができます。
今回の記事では、株式会社が株主から、自社の株式を購入するときの手続きについて解説していきたいと思います。
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株式会社が自社株を購入する時の流れ
株式会社が株式から自己株式を取得するには、株主総会で決議して、取締役会で具体的な内容を決めることになります。
株式会社は、株主との合意により自己株式を取得することができます。
手続きとしては株主総会を開催して、その次に取締役会設置会社であれば取締役会(非設置会社であれば取締役の過半数の一致)で具体的な内容を決めます。
株主総会で決議する事項としては、取得する株式の数、株式を取得するのと引き換えに交付する金銭等の内容及びその総額、株式を取得する期間を定めることになります。
株主総会で大枠を決めた後に、具体的な内容を取締役会で決めることになりますが、株主総会の決定の範囲内で、取得する株式の数、1株を取得するのと引き換えに交付する金銭等の内容及びその総額、株式を取得するのと引き換えに交付する金銭等の内容及びその総額、株式の譲渡の申込みの期日を定めることになります。
上記の決定は、株主に対して公告若しくは通知をしなくてはなりません。
株式を譲り渡したい株主は、譲渡したい株式の数を記載して申込みをします。
自己株式を取得する際に金銭等をその株主に渡す場合には、分配可能額を超えることができませんので注意してください。
不特定多数の株主でなく特定の株主から株を譲り受けたい場合にはどうするか
先程は、不特定の株主に通知して自己株式を取得するといったものでしたが、特定の株主から自社の株を譲り受けたい場合にはどうすればよいのでしょうか。
特定の株主から自己株式を取得すると、他の株主からすれば不満が出る可能性があります。
そのため、特定の株主から株式を取得するには、他の株主の了承を株主総会で得る必要があります。
株式を特定の株主から譲り受ける場合には、株式会社は特定の株主に対して、株式の取得に関する事項を通知する旨を定めることができます。
この場合の手続きは株主総会の特別決議で決める必要があります。
特定の株主との間だけ自己株式の取得をする場合には、株主総会の2週間前までに特定の株主に自分も加えたものを株主総会の議案とすることを請求することができる旨を他の株主に通知する必要があります。
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まとめ
自社株式を取得する際には、株主総会で大枠を決めて取締役会で具体的な内容を決めることが一般的な流れですが、取締役会非設置会社の場合には、株主総会で細かい事項まで決めることもできます。
株式を特定の株主から譲り受ける場合には、不平等になることを防ぐため、株主総会の特別決議で決める必要があります。
自己株式を取得するだけでは、登記事項に変更はないため登記をする必要はありませんが、自己株式を消却する手続きをして発行株式数等に変更があれば、登記事項を変更するため、登記をする必要があります。