相続が発生したら、相続人を確定して相続人全員で遺産分割協議をします。
遺産分割協議をした後に実は、相続人でないものがいた場合や相続人を見落としてしまって、相続人全員で手続きをしなかった場合など、相続手続きに瑕疵(ミス)があった場合はどのような手続きをすれば良いのでしょうか。
今回の記事では、遺産分割協議の瑕疵があった場合にはどうすれば良いのか解説していきたいと思います。
遺産分割協議は相続人全員が集合する必要があるか遺産分割協議証明書の作成
遺産分割協議が完了した後に問題が生じた場合
遺産分割協議の瑕疵で考えられるのは、相続人を間違えてしまった場合と相続財産に問題があった場合が多いです。
詳しく解説していきます。
遺産分割協議に問題があった場合はどういった手続きが必要となるのでしょうか、ケースにあわせて解説していきたいと思います。
相続人全員で遺産分割を行わなかった場合
例えば、相続人で話し合いを行ったと思っていたら、実は隠し子がいて、戸籍をきちんと確認せずに、分かっている相続人だけで遺産分割協議を行い、その相続人を遺産分割協議に参加させないで遺産分割協議を行ってしまった場合は、その遺産分割協議は無効となりますので、改めて相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。
遺産に問題があった場合
遺産分割を行う際に、家や家財道具などを分割する際に、その遺産が実は他人の物であったり、隠れた瑕疵があった場合は、遺言による別段の意思表示がない限り、共同相続人は担保責任を負います。
要するに、遺産そのものに瑕疵があった場合には、他の相続人は一定の責任を負うということになります。
他にも、遺産分割協議を行う時に遺産の一部を脱漏していた場合には、その脱漏していた遺産が重要で、当事者がその遺産がある事を知っていたら、成立した分割協議がなされないであろうと考えられ、分割をやり直す方が公平の理念に合致すると認められる場合には、当該遺産分割は無効となる可能性があります。
遺産を再分割することは可能か
相続人全員で遺産分割協議を行い一度遺産分割が終わった後に改めて不公平を是正するために、遺産分割協議をやり直すことは可能なのでしょうか。
例えば、最初の遺産分割協議で錯誤や偽造などの原因で無効になった場合であれば再分割は認められることになりますし、遺産分割を行った後に発生した事由で、遺産分割時の前提事実に変更が生じた場合にも再分割は可能と考えられています。
それ以外にも相続人全員で合意すれば、遺産分割協議をやり直すことも可能です。
ただ、再分割を行うと、相続税だけでなく、贈与税が課される可能性もあるため、再分割を行う前に税理士に相談してから行うことが望ましいと考えます。
まとめ
遺産分割を行った後に、遺産や相続人の意思表示に瑕疵があった場合には、最初に行った遺産分割協議が無効になったり、取り消しになることがあります。
他にも遺産分割協議の前提条件が変更になったり、遺産の重要な部分を脱漏した場合で、脱漏していなかったら、その遺産分割協議にはならなかったであろうとなった場合にも無効になってしまう可能性があります。
相続人全員での再分割も可能ですが、税金の問題があり、事前に税理士に相談してから再分割を行う事をお勧めいたします。
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