株主は、会社に様々な権利を有しています。
例えば、配当を受ける権利であったり、議決権の行使できる権利、保有株式を売買して利益を得る権利など内容は様々です。
株式は基本的に自由に譲渡をすることができるため、会社側からしたら、権利を主張している株主が本当に自社の株主なのか確認する必要があります。
株主であることは、株主名簿や株券発行会社であれば株券を確認すれば良いのですが、株券不発行会社であれば、株主名簿で株主を確認するしかありません。
そのため、きちんと株主である権利を会社に主張するためには株主名簿の変更をしなくてはならないのです。
今回は、株主が株式を売買や相続などで取得した場合にどういった手続きをとれば良いのかを解説していきたいと思います。
今回は、株式を移転した後に必要な株主名簿の名義変更手続きについて解説していきたいと思います。
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株式名簿の名義書き換えの方法
株式を売買や贈与などで譲り受けた場合にはどのような手続きをとれば良いのでしょうか。
まず、株式を所有していれば、会社に様々な権利を主張することができますが、会社側からすれば、その主張している株主が本当に自社の株主なのか証明してもらわないと、その者を株主として扱って良いか判断できません。
そのため、会社に権利を主張するためには、株主名簿の変更をする必要があります。
株主名簿の変更手続きの流れは、株券発行会社と株券不発行会社で異なりますのでご注意ください。
株券は現在は不発行を原則としており、株券を実際に発行していない会社が多くなっています。
売買や贈与などで株式を移転した場合
売買や贈与によって移転した場合は、株券発行会社と株券不発行会社で手続きが異なります。
株券発行会社 | 株券不発行会社 |
株主が株券を会社に提示をすれば、会社は原則として書き換えに応じる必要があり、株主名簿の変更に応じられない場合には合理的な理由を会社側が提示しなければなりません。 | 株券不発行会社が名義変更する際には、株券はありませんので、株式を譲渡した元株主と株を譲り受けた現株主が連名で株主名簿の書き換えを会社に請求しなくてはなりません。 株券がなく、株主名簿に記載されている事項しか、会社側は確認ができないため、両名の請求が必要となるのです。 |
相続や合併で株式が移転した場合
株式が相続や合併で移転した場合は、合併であれば、法務局で入手した登記事項証明書を添付して、相続であれば相続人であり権利があることを証明するため、遺産分割協議書、戸籍謄本などを準備して会社に証明する必要があります。
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まとめ
上場企業であれば、株式等振替制度があるため、株主の権利の移転などの事務手続きは証券会社と証券保管振替機構などの口座への記録により行いますが、中小企業では株主名簿管理人を設定していなければ自社で行う必要があります。
株を売買したか、相続したかなどで手続きが異なるため、ご不明点があれば専門家に相談することをお勧めいたします。