株主は会社の状況を把握できないと、投資の判断やどういった事を改善したら良いのか判断がつきません。
取締役は自らが経営に携わっているため、経営状況は知っていますので、株主総会で会社の事業に関することを報告しなくてはなりません。
今回の記事では、株主総会で必要となる事業報告書について解説させていただきます。
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株主総会で必要となる事業報告書とは
会社の状況に関する重要な事項や、内部統制システムの整備に関する決定や決議の内容、運用状況の概要、財務及び事業方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針、多重代表訴訟の対象となる子会社の概要、親会社などとの間の関連当事者取引に関する事項を記載した書類です。
以前説明した計算書類と異なり、数字ではなく内容を文章にて解説したものとなります。
株主総会での手続きの流れ
事業報告も計算書類と同じように作成した後に、監査役等が監査を行い、取締役会に承認してもらい、最終的に取締役が株主総会で報告します。
計算書類と同様に会社の財務状況や経営成績に関する重要な書類で、議決権を行使するための、判断材料となります。
計算書類や業界用語や専門用語を必ずしも株主が理解しているわけではありませんので、そういった株主にも理解できるように、なるべく平易な言葉で報告して株主の理解を得ることが必要です。
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内部統制システムとは
事業報告で報告する事項の中で内部統制システムの話をしましたが、内部統制システムとは、会社の取締役の職務執行を法令や定款に適合させるために必要な体制の事で、会社の業務の適性を確保するため、取締役の職務執行の適性や効率化のため、その会社でとられる対策をシステム化することを内部統制システムと言います。
会社は内部統制システムを整備することについて定めている場合には、その内容に関して、会社で何らかの決定がなされたり、取締役会で決議がなされた場合には、その内容を事業報告に記載しなくてはなりません。
他にも内部統制システムの運用状況の概要も記載しなくてはなりません。
内部統制システムを定めている会社は少ないかと思いますが、定めている会社は最終的に株主に報告する必要があります。
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まとめ
会社の経営状態や財務状況などは、計算書類を見れば確認をすることができますが、計算書類以外に事業報告を作成させ、文章でも株主に説明をして報告する必要があります。
計算書類や、専門用語が分からない株主のためにも、なるべく分かりやすい言葉で解説をするように心がけましょう。
他にも内部統制システムを定めている会社は、事業報告書で説明する必要もあるため注意してください。