当事者間で契約を締結して取引をしている場合は契約書に記載したルールを守らなくてはなりません。
契約書で定めたルールは、契約期間が定められていいる場合には、その期間まで守る必要がありますが、契約期間が終了すれば、当事者は契約書のルールに拘束されなくなります。
ただ、契約の内容によっては、契約期間が満了しても効力が存続した方が良いものもあります。
今回は、契約終了後も契約の内容を存続させる方法を解説していきたいと思います。
広告
契約期間とは
契約書を交わして契約をするとお互い契約書の内容に拘束されることになります。
契約書に期間が定められている場合は、契約の期間満了までは契約した内容を守らなくてはなりませんが、契約の条項によっては契約期間が終了しても効力があった方がよいものもあります。
例えば、債務不履行があった場合に備えた損害賠償の予定や、紛争解決に関する条項などは契約終了後も存続させる意味はあるでしょう。
そういった条項に関しては、期間満了、解除、その他の事由により終了した場合であっても、「○○の各規定はなお効力を有するものとする」などの文面を契約書に記載して存続期間満了後も効力を存続させるのが良いでしょう。
ただし、契約期間も効力を存続させると、契約の効力は契約期間の終了後もお互いを拘束することになるため、秘密保持特約など相手方が不利になる条項が契約の期間終了後も存続してしまうと、契約書で拘束される側は、多大な労力と費用が発生してしまうこともあるため、契約を締結する方は注意して条項を確認する必要があります。
自動更新など契約の期間の定め方
一定の期間契約が存続する契約の場合には、「令和〇年〇月〇日から令和〇年〇月〇日まで」とした規定したほうが、お互い分かりやすいですが、意味がわかれば自由に記載することができます。
一定期間契約が存続する場合には、契約期間が満了したら、自動更新をする条項を定めることによって、契約を自動更新することもできます。
存続期間は契約の種類によって異なりますが、2年~3年程が多いです。
契約自体の有効期間は定めなくても、契約の条項ごとに期間を定めることも可能なため、契約書を確認するときには、条項を1つ1つ確認して、条項ごとに契約期限が定められていないかも確認するようにしてください。
まとめ
契約をするときに期間を定めない場合や、契約の条項を期間満了後も存続させたい場合は、契約書の中に契約終了後も存続する旨を記載する必要があります。
基本的には、契約の期間が満了してしまうと、お互い契約の内容に拘束される事がなくなるため、損害賠償の規定や、裁判管轄の条項など契約が終了しても意味がある条項に関しては、契約期間が満了しても効力が残るように記載することをお勧めいたします。
契約の期間がないと当事者をいつまでも拘束することになるため、秘密保持特約など相手方に不利な条項の場合には、特に確認をして、その契約を締結するかを判断してください。
契約書の内容は複雑なため、行政書士や弁護士などの専門家に相談することをお勧めいたします。